自動車の運動における「曲がる」原理と「曲げる」技術について、6自由度の運動を中心に解説する。自動車の運動は、地上に固定された座標系と車両に固定された座標系の2つの視点から考察される。地上に固定された座標系では、A点からB点への「移動」が重視される。一方、車両に固定された座標系では、「車両の動き方向と姿勢の変化」が考慮される。
6自由度の運動は以下のように整理される。
- X軸に対する並進運動(前後動)
- Y軸に対する並進運動(左右動)
- Z軸に対する並進運動(上下動)
- X軸周りの回転運動(ロール運動)
- Y軸周りの回転運動(ピッチ運動)
- Z軸周りの回転運動(ヨー運動)
これらの運動は、自動車がカーブを曲がる際や丘を登る際など、複雑な状況下での走行を可能にする。例えば、旋回運動ではヨー運動とロール運動が主に生じる。
航空機や船舶との比較も興味深い。航空機はロール運動が大きく、船舶はロールとヨー運動が主体である。鉄道車両は進路が線路によって決定されるため、自立的な運動は受動的である。