三菱重工と日本触媒、水素利用拡大に向けアンモニア分解システムの共同開発契約を締結

三菱重工業と日本触媒は水素・アンモニアサプライチェーンの導入と大量輸送の本格化を見据え、アンモニア分解システムの共同開発契約を締結したことを発表した。日本の「燃料アンモニアサプライチェーンの構築」プロジェクトをはじめ、欧州などの国内外においてサプライチェーン構築が計画されており、今後の市場の伸長が期待されている。

アンモニアは、燃焼してもCO₂を排出しないゼロエミッション燃料である水素を安全かつ大量に長距離輸送・貯蔵することが可能な水素キャリアの1つとして注目されている。アンモニア分解技術はアンモニアから水素を取り出すために不可欠であり、サプライチェーン構築の実現において重要な役割を担う。アンモニア熱分解触媒を用いた最適なシステムの共同開発に当たり、三菱重工は、アンモニア製造プラントをはじめとした国内外における多数の化学プラント納入実績や、これまで培ってきたアンモニアや水素のハンドリング技術に関する深い知見が生かされる。また、日本触媒は、アクリル酸触媒をはじめとするプロセス触媒や、自動車触媒、排ガス触媒などの環境触媒を多数開発・実用化してきた触媒技術の実績と知見が生かされる。本分解システムから取り出された水素は、クリーンな原料・燃料として使用することが可能であり、早期実用化を目指し開発が推進されていく。

三菱重工グループは、2040年のカーボンニュートラル達成に向け、エネルギー供給側で脱炭素化を目指す「エナジートランジション」に戦略的に取り組んでいる。水素・アンモニアサプライチェーンの構築に寄与するアンモニア分解システムの開発とその事業化を推進することで脱炭素技術の早期確立・社会実装を図るとともに、持続可能なカーボンニュートラル社会の実現へ貢献する。

日本触媒は、2030年までの長期ビジョン「TechnoAmenity for the future」において「環境対応への変革」を掲げ、アンモニアや水素のさらなる普及拡大に向けてアンモニア分解触媒の開発および社会実装を進めている。今後も、人と社会から必要とされる素材・ソリューションを提供するとともに、持続可能な社会に貢献し続けている。

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