ナトリウムイオン電池、EV市場で新局面か?-CATLと奇瑞汽車の先駆けとなるパートナーシップ[自動車業界60秒ブリーフィング]

2023年4月、中国の電池製造大手CATLと自動車メーカー奇瑞汽車が、世界初となるナトリウムイオン電池(NIB)搭載の量産型電気自動車を発表した。この動きは、資源調達リスクとコストの観点から、EV(電気自動車)市場に新たな選択肢をもたらす可能性がある。

NIBは、現在主流のリチウムイオン電池(LIB)と比較して、レアメタルを使用しないため資源調達のリスクが低い。また、製造コストも低く抑えられる可能性が高い。しかし、エネルギー密度が低いという課題と、安全性に一定の疑問が残る。

CATLはこれらの課題に対処するため、「ABバッテリーパックソリューション」を開発。これはLIBとNIBを一つのパックに統合し、エネルギー密度と安全性を両立させるものである。さらに、NIBの量産と市場拡大を目指して、工場の新設・増設を予定している。

日本では、トヨタ自動車がNIBの特許を一部出願しているものの、商品化には至っていない。この点で、CATLは競争優位に立っている。

詳細はこちら→ナトリウムイオン電池は次世代電池の本命になるか?技術的な課題や展望は

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