日立インダストリアルプロダクツ、EV急速充電を可能にする大容量マルチポートEVチャージャーを2023年10月から製品化

背景

温室効果ガスの排出を全体としてゼロにするカーボンニュートラル、脱炭素社会の実現をめざす2050年までの計画において、2035年までの乗用車新車販売における電動車100％の実現が急がれる中、いまだ国内では充電インフラ整備の遅れに伴う充電渋滞の発生や、EVの具体的なユースケースの検討が進んでおらず普及が遅れている。また将来的なEV普及による電力系統への圧迫も予想され、EVを分散型電力リソースとして活用することによる系統混雑の解消が求められている。

「大容量マルチポートEVチャージャ」を活用した使用事例(ユースケース)の実証

日立インダストリアルプロダクツはチャデモ協議会の実証プロジェクトに参画し、日中次世代充電規格CHAdeMO3.0(ChaoJi2)の検証や同規格の普及のため、同社大みか事業所(茨城県日立市大みか町五丁目2番1号)に国内唯一の次世代EV充電規格実証拠点を構築し、国内外の車両OEMに対し実証サイトとして開放する予定としている（2023年10月～2年間）。

また、通勤車を活用したCO₂削減の取り組みとして、日立インダストリアルプロダクツ土浦事業所(茨城県土浦市神立町603番地)の駐車場にマルチポートEVチャージャを設置し、勤務中のEV充電を可能にすることで、従業員のEV導入を促し、通勤車におけるCO2削減を実現する実証サイトを計画する予定（2024年4月～）。

主な特長

1. マルチポート(拡張性)
   最大500kWの範囲内で、90kW×5口、25kW×20口など出力調整・同時充電が可能。
2. 大容量
   250kW・500kWの2機種が準備されており、グローバルで本格化する高出力充電(超急速充電、大型EV充電)のニーズに対応可能。
3. V2X（エネルギーマネジメント）
   V2Xに対応しており、EVを電力リソースとした事業所内の電力デマンドコントロールに活用が可能。V2X(Vehicle To Everything)とは、自動車とさまざまなモノをつなぎ、相互に連携する通信技術。

キーワードで検索する