テスラの成功の背後には「しがらみのなさ」が大きな要素となっている。2008年に市場に登場したテスラ・ロードスターは、当時内燃機関車が市場をほぼ独占していた中で、電動車として新たなスタンダードを築いた。この成功は、テスラが新規参入者であり、既存の自動車産業の制約や慣習に縛られなかったからだ。
テスラの創業者であるマーティン・エバーハードとマーク・ターペニングは、それぞれ電気工学とコンピューターサイエンスのバックグラウンドを持っていた。この多様な専門知識が、テスラが独自のカーOSやセントラルコンピューターを早期に採用する基盤を作った。
また、テスラは多くの提携を経て、独自の技術とビジネスモデルを築いてきた。トヨタやダイムラーとの短期間の提携は、大手自動車メーカーの運営ノウハウや技術を吸収する良い機会となった。一方で、これらの提携が解消された後も、テスラは独自の道を突き進んでいる。
テスラの強みは、新しい技術やアイデアを迅速に採用し、市場に適応する能力にある。例えば、オクトバルブと呼ばれる冷却水バルブは、テスラが「しがらみ」がない状態から新しいシステムを導入する際の一例である。
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