ニデックアドバンステクノロジー、EVモータ用試験ベンチ「TDAS-1202P」「TDAS-2032P」を発売

ニデックの子会社であるニデックアドバンステクノロジー社が、EV モーター用試験ベンチ「TDAS-1202P」およびトラクションモータシステム「E-Axle」用試験ベンチ「TDAS-2032P」を発売することを発表した。

開発の背景・特長

世界で拡大する自動車の電動化により、EV 向けトラクションモーター用性能評価試験ベンチ、並びに E-Axle 用性能評価試験ベンチの需要は近年急速に拡大している。ニデックアドバンステクノロジーの「TDAS-シリーズ」は、同社グループの「E-Axle」の開発・試験に使用されているものであり、コストと品質、評価試験精度の最適化を図り「自動車の電動化(EV 化)」の発展伸長に貢献することを目的に開発された。

「TDAS-1202P」は、20,000rpm/700Nm に対応した EV 向けトラクションモーター単体用の性能評価試験ベンチで、モータの性能試験、効率/電費試験、低高温環境試験、並びに適合試験(ISO 対応含)に対応しており、同価格帯の試験ベンチにおいて世界最速クラスの回転数に対応している。

「TDAS-2032P」は、3,300rpm/3,300Nm に対応した E-Axle 用の性能評価試験ベンチで、「TDAS-1202P」同様の試験に対応している。

「TDAS-1202P」 1 軸試験ベンチ
「TDAS-2032P」 2 軸試験ベンチ

TDAS シリーズの特徴

・電流・電圧・回転数・トルク・温度・振動を高精度・高周期で測定し、効率マップ表示等のデータ処理・解析が可能
・試験シーケンス・走行モード等をオート・セミオートにて実行できる機能を備え、試験環境の省人化に貢献
・インバータおよびバッテリーシミュレータ共に回生機能を有し、必要に応じてモーターベンチ内で消費される電力を削減
・恒温槽や低温・高温チラーを利用することによって、供試体冷却オイル、クーラント液等の温度管理をした試験に対応
・様々な供試体に柔軟に対応でき、また容易に交換作業できるように位置決め機構を持つ面板方式を採用(TDAS1202P のみ)

また、今後の需要増加をにらみ、これらの製品を利用した BEV 用、HEV 用インバータベンチなども構築可能で、低コストな試験ベンチへの対応可能なソリューションも用意されている。

今後は、ニデックアドバンステクノロジーの工場内に設置されている複数台の試験ベンチを利用して、顧客からのテスト評価依頼にも対応していく他、NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)の助成を受けて、30,000rpmクラスの高速モータ用ベンチやギアボックス用テストベンチの開発も推進されている。

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