高張力鋼板の使用が進む自動車産業において、強度と剛性の違いがしばしば誤解される。強度は「壊れるか、壊れないか」を示す指標であり、剛性は「どれだけの力でどれくらい変形するか」を示す。これらは工学的には別の概念であり、それぞれ異なる役割を果たす。
例えば、衝突安全性においては、強度が重要であり、剛性が高すぎると衝突エネルギーがキャビンに直接伝わってしまう。一方で、操縦安定性や乗り心地に関わるのは剛性であり、特にサスペンションなどからの入力に耐える能力が求められる。
高張力鋼板を用いると、同じ強度で薄板化が可能だが、剛性は低下する可能性がある。これは薄肉化によって断面二次モーメントが減少するためであり、その対策として骨格の断面確保が重要になる。
また、材料そのものの性質を評価する際には、応力-ひずみ線図が有用である。
詳細を読む→強度と剛性はまったく別の指標、誤解されることが多い高張力鋼板の特性