4WSの再定義、EV時代に生まれ変わる自動車の機動性[自動車業界60秒ブリーフィング]

後輪操舵技術は、21世紀に入りBEV(バッテリー電気自動車)の普及と共に再び注目を集めている。かつて日本で開発され、しばらくの間技術開発が沈静化していたこの技術は、現在欧州メーカーを中心に採用され、特に大きな車両の運動性能向上に寄与している。

ZFが提供する「アクティブ キネマティック コントロール(AKC)」という4WSシステムは、制御則の確立とセンサー技術の進化により、違和感を減少させたことが普及の鍵となった。メルセデスベンツのSクラスやEQE、EQSなどのモデルに採用されている例がこれを示している。

EVは重量増加に伴いヨー慣性モーメントが大きくなるが、4WSはこの問題を補う効果を持つ。特にホイールベースが長い車両や重量が増した車両に対して有効である。

一方で、コンパクトなEVにおいては4WSの必要性は低い。ホンダeのような小型EVは前輪舵角の増加だけで最小回転半径を小さくすることが可能であり、4WSの採用は限定的である。

詳細を読む → 後輪操舵はなぜ21世紀に蘇ったのか

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