ライト兄弟からR3350へ、航空エンジンの100年[自動車業界60秒ブリーフィング]

ライトR3350ターボコンパウンドは、レシプロ航空機エンジンの歴史において重要な役割を果たした。1910年代初期から100年以上の技術革新を経て、ライト兄弟に由来するライト社は、1920年代に世界的な航空機エンジンメーカーへと成長した。初の空冷星型エンジン「ホワールウインドJ-5」は、1927年に大西洋無着陸横断単独飛行を成功させたチャールズ・リンドバーグの機体に採用された。

その後、サイクロンシリーズが登場し、R-1820は1930年代から1940年代にかけて進化を遂げた。特にB-17やB-29などの重要な航空機に採用された。更なる進化型として、複列星型18気筒のサイクロン18(R-3350)が登場。これは第二次世界大戦後、大型機用の航空機エンジンとして大きな期待を集めた。

R-3350は、ターボチャージャーを併用した2段過給システムを採用し、高度4万フィートでの性能低下が少ないことが特徴だった。また、パワーリカバリータービンを導入し、排気ガスの再利用によるパワーアップと燃費節約を実現した。このR-3350ターボコンパウンドは、1949年に初飛行し、1950年にアメリカ海軍航空隊に納入された。

詳細を読む → ライトR3350ターボコンパウンド 「サイクロンの最終進化型」

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