新型レクサス「LM」、パナソニック オートモーティブシステムズの後席48インチディスプレイシステムを採用

パナソニック オートモーティブシステムズは、同社の後席48インチディスプレイシステムが、トヨタ自動車(以下、トヨタ)の「Lexus LM」(2023年6月発売)に採用されたことを発表した。

商品の特長

1. 従来品の2枚分の画面サイズとなる、Pillar to Pillarの48インチ大画面液晶を開発

後席ディスプレイシステムは、リアシート乗員のためのエンターテインメントシステム。リアシートでテレビやラジオを楽しめる他、HDMI端子やWi-Fiに接続することによりパソコンやモバイル端末との接続も可能で、車室内の快適性向上に貢献するもの。

今回の製品は画面サイズ最大化のため液晶パネルメーカーと協業し、後席ディスプレイシステム内の意匠パネル/表示部の固定構造を従来の液晶パネル周囲固定方式から背面固定方式へ変更することで狭額縁化が図られている。車載部品に求められる強度への影響を考慮しつつ最適設計し、従来品より額縁幅を42%削減。これにより、車両デザインを損なうことなく、従来品2枚分の画面サイズとなるPillar to Pillarの48インチディスプレイの搭載を可能にしている。

従来後席ディスプレイシステムとの比較

2. 2画面表示機能

アスペクト比32:9という横長ディスプレイの特徴を活かし、センター1画面モード(FHD)、左右別ソースを表示できる左右2画面モード(FHD×2)、さらに32:9の横長1画面モードと後席乗員の用途に応じた画面切り替えを可能としている。また、左右2画面モードでは、ワンタッチで左右画面の入れ替えも可能としました。HDMI端子も2系統搭載し、エンタメだけでなく、車室内で仕事をするユースケースにも適応する。

商品化に向けた新規取組

1. プロジェクトマネジメント改革をトライアル実施し、開発リードタイム短縮

本プロジェクトは、当初現行同等の26インチで開発をスタートしたが、さらなる大型化の要望に応えるため新規ディスプレイモジュールの開発に挑戦。そのため関連部品との調整など、通常よりも短期間での開発が必要となり、品質担保に加え開発リードタイムの短縮が求められた。そこで、かねてより検討していたマネジメント手法であるCritical Chain Project Management(以下、CCPM)がトライアル導入された。プロジェクトをタスクごとに分解し、プロジェクト日程への影響度からタスクの優先順位を明確化している。プロジェクト全体の進捗業況は赤/黄/緑の状態で可視化し、今やるべきこと(やらなくてもよいことの明確化)に集中することで全体最適を図り、2.5カ月のリードタイム短縮に成功した。

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