ジェイテクトが第2世代RP-EPSを開発。新型トヨタ「センチュリー」「アルファード」「ヴェルファイア」に採用

第2世代RP-EPS
ジェイテクトは2016年に量産開始したRP-EPS(ラックパラレル式電動パワーステアリング)を改良し、「第2世代RP-EPS」を開発したことを発表した。本開発品はトヨタ自動車の新型「センチュリー」「アルファード」「ヴェルファイア」に搭載されている。

開発品の特長

ステアリングシステムとは、自動車の「曲がる」機能を担うもので、マニュアルステアリング・油圧式パワーステアリング(HPS)・電動パワーステアリング(EPS)の3種類に分類される。2016年12月に花園工場で量産開始し、現在はグローバル生産展開をしているRP-EPSは、中~大型車に最適なEPSである。トルクセンサーをピニオン軸に設置し、パワーアシスト用モーター動力をボールねじ機構を介して直接ラック軸へ伝えることで、摩擦による動力損失の軽減と高い操舵性能を実現した。今回は「良質廉価」なモノづくりをコンセプトに、第1世代と比較して以下の改良が行なわれた。

(1)同一クラスで世界最軽量:
各種部品設計を見直し、小型・軽量化。第1世代比▲約22%の軽量化を達成し、環境負荷低減に貢献

第1世代と第2世代の重量比較

①アルミハウジング:アルミハウジングのリブを最適配置し、強度を落とすことなく薄肉軽量化

アルミハウジングリブ配置比較

②減速機構造:プーリー小型化と樹脂化による軽量化、ラック小径化

減速機構造比較

(2)生産ラインの自働化・省人化
ジェイテクトでは、更なる原価低減、将来の労働力不足に備え、製造ラインの自働化による省人化が進められている。花園工場の本開発品生産ラインでは、自働外観検査や組立ロボット等を導入することで、加工ラインにおける無人化と組立ラインにおける▲80%の省人化が達成された。

無停止撮影による高速自働外観検査(写真赤枠部分)
複数の部品をボルトで締結するロボットアーム
花園工場 RP-EPS生産ラインにおける省人化実績

今後の展望

ジェイテクトは、ステアリングシステムのパイオニアとして、走行性や安全性の向上、環境性向上に貢献するステアリングシステムの開発を進めていく。また駆動製品も含め多様な自動車向けの製品・サービスの技術力を高め、次世代の自動車技術に貢献することができるNo.1 & Only One のシステムサプライヤーとして今後も顧客に新たな価値を提案していく。

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