THKはジャパンモビリティショー2023で、その技術力を存分に示した。注目の中心は、電動車両（EV）コンセプト「LSR-05」であり、独自の可変磁束インホイールモーターをはじめとする技術が特徴だ。このモーターでは、ローターをボールねじで動かし、高効率を実現している。THKの長年のベアリングやボールねじの技術が、ここに生きている。
LSR-05のパワートレーンは、800Vのシステム電圧を持ち、フロントに1つ、リアに2つのモーターを配置。ワイヤレス充電機能も装備されている。特にリアのインホイールモーターは、低回転でのトルクを保ちつつ、高回転時の逆起電力を抑える技術が取り入れられている。これは、THKのボールねじ技術を応用した、革新的な構造である。
サスペンションに関しては、車高や減衰力を電子制御するアクティブサスペンション「ALCS」と、MR流体を利用したダンパー「MRDT」を採用。これらはTHKのボールねじ技術と組み合わされ、前方の路面をスキャンしながら凹凸に追従する精密な制御を実現している。また、車高を調整することで、ワイヤレス充電の効率向上にも寄与している。
座席にも革新が見られ、ステルスシートスライドシステム（SLES）が導入されている。これはLMガイドを利用し、床面とシート底面に設けられた2組のガイドで大きなスライドを可能にしている。このシステムにより、足元のスペースが広がり、快適性が向上している。
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