インホイールモーターで電気自動車のコストダウンを狙う|Protean Electric[自動車業界60秒ブリーフィング]

Protean Electric(プロティアン)社は、インホイールモーター(IWM)を専門に開発するイギリスのメーカーである。彼らは現在、第5世代のIWMを提供しており、特に「Pd16」と「Pd18」というモデルが注目されている。これらはそれぞれ40kW/800Nmと90kW/1400Nmの出力を持ち、乗用車や小型商用車に適している。

IWM技術の大きな課題は、モーターがホイール内に組み込まれることによるばね下重量の増加である。これはハンドリング性能や乗り心地に影響を与えるため、現在市販されているBEVではほとんど採用されていない。しかし、Proteanはこの問題を解決するために、長年にわたるテストと検証を行ってきた。

ProteanのIWMは、永久磁石同期型アウターローター構造を採用し、ステーター、パワーエレクトロニクス、ホイールベアリングを内蔵している。重要なのは、ばね下とばね上の重量比であり、これが1:6以上であれば、適切なダンパーやスプリングの調整で問題ない設定が可能とされている。

IWMの利点は、ドライブシャフトが不要になることで、車体の四隅にホイールを配置できる柔軟性にある。これにより、車体の前後に余分な空間が生まれ、バッテリーを大型化するか、車両をコンパクト化することができる。また、全輪駆動化も容易になる。

詳細を読む→インホイールモーター、いよいよか?[Protean ElectricのIWM試験車に試乗]

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