ホンダが進める電動推進機の実証実験は、カーボンニュートラルへの取り組みの一環として、松江城周辺の堀で行われている。このプロジェクトは、船舶用の電動推進機を開発し、それを実際に運用するというもので、松江市観光振興公社が運営する「堀川遊覧船」に搭載されている。この推進機は、4kWの出力を持ち、電動三輪スクーター「GYRO e:」のモーターとPCUが使用されており、船舶用に最適化されている。
重要な課題の一つとして、駆動ユニットの冷却が挙げられる。通常、船外機は高負荷環境にさらされるため、モーターとPCUの冷却が重要となる。そのため、PCUの放熱用のリブを取り外し、代わりに熱伝導シートを設置し、冷却フィンを筐体の底に設けるなどの工夫が施されている。
また、電動推進機は安全性の面でも注目に値する。感電リスクの対策として、ユニットは水没しないように設計され、防水性にも配慮されている。このほか、リバース制御の改善により、船の安全性が向上している。
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