目次
開発の背景
本製品は、「音響パワーレベル計測(音圧法)DS-0231A」(対応ハードウェア:データステーションDS-2000シリーズ/同DS-3000シリーズ)の後継モデルとなっており、最新のソフトウェア「O-Solution」とハードウェア「データステーションDS-5000」、アプリケーション「OS-0541 音圧法音響パワーレベル」を組み合わせたシステムとなる(オプションの設定あり)。本製品は、昨今話題となっているEVやモーター、インバーター騒音の原因特定など、エンジニアの大幅な工数削減に貢献する。
モーターやインバーターを内蔵した製品は、高い周波数の音を発生しやすくなる。このような音はときに不快に感じることもあるため、音を低減する取り組みが重要である。しかし高い周波数の音は聞く位置によって音の大きさが変わるため、1点の騒音レベルで評価することが難しくなる。そこで、音を多点でとらえる国際規格に準拠した音響パワーレベル計測がスタンダードになりつつある。音響パワーレベルはエアコンや事務機器の運転音として用いられているほか、近年は自動車部品や家電業界にも広がっている。
本システムは、規格に対応した計測と、音の発生源や周波数ピークの確認を簡単に行えることで、効率的に騒音対策を行うことができる。
新製品3つのポイント
- 最新の国際規格に対応
- 20 kHzまでの音響パワーレベルを算出
- 騒音の原因分析に貢献するFFT周波数分析、カラーコンターマップ
ターゲット市場
- EVを始めとしたE-Axleを搭載した次世代モビリティの騒音の原因分析
- 事務機器、空調機器、家電、発電機や屋外機械装置などの騒音の原因分析
特長
国際規格に対応した計測を簡単に実行し、レポート出力が可能
20 kHzまでの音響パワーレベルを算出
- 高い周波数(1/3オクターブバンドの20 kHz帯域まで)をより正確に把握
- 計測点数が多い場合は、複数回に分割して計測することが可能※1
騒音の原因分析に貢献
- 同時レコーディング
- FFT、瞬時の音響パワーレベル算出※2
- カラーコンターマップ表示
本システムは、1つのソフトウェアで音響パワーレベル計測と原因分析を行うことができる。規格のオクターブ毎の結果よりも詳細な音響パワーレベルを観測することで、音の原因となる周波数ピークやタイミング、音源位置の特定を効率よく実施が可能。再計測の手間なく原因分析を行うことができ、騒音試験のコスト削減につながる。
※1 音源に再現性があり安定している場合に利用可能
※2 規格の暗騒音補正・面積補正を行うが、規格よりも詳細な周波数/時間分解能での算出のため、厳密には規格準拠ではなく参考値
対応国際規格
マイクロホンを用いた音圧法音響パワーレベルの規格に対応する。追加オプションで事務機器(複合機やプリンタなど)の放射音計測にも対応する。
OS-0541 音圧法音響パワーレベル
自由音場・半自由音場 | ISO 3744: 2010※3, 3745: 2012, 3746: 2010 JIS Z 8732: 2021, Z 8733: 2000 |
拡散音場(比較法のみ対応) | ISO 3741: 2010 JIS Z 8734: 2021 |
高周波の音響パワーレベル | ISO 9295: 2015 |
OS-0542 放射音計測オプション(情報技術装置)
情報技術装置の音響パワーレベル | ISO 7779: 2018, JIS X 7779: 2012 |
放射音圧レベル | ISO 11201: 2010 |
放射騒音表示値 | ISO 9296: 2017 |
顕著な離散音 | ISO 7779: 2018 (Tone-to-Noise Ratio, Prominence Ratio) |
※3 ISO 3744の改訂が検討されている。改訂された際は、新規格に対応するソフトウェアバージョンアップを予定