熱硬化性CFRPの製造プロセスの進化[自動車業界60秒ブリーフィング]

炭素繊維強化プラスチック(CFRP)の製造には、熱硬化性樹脂を使用したプロセスが一般的である。炭素繊維自体は非常に細く、強度が高いが、形状を保持するためには樹脂を介して硬化させる必要がある。
この過程で、3000°Cで焼かれた炭素繊維をプリプレグ(炭素繊維を熱可塑性樹脂で予め含浸させたもの)として加工し、オートクレーブ(圧力釜)を用いて加熱硬化させる。

オートクレーブ内では、プリプレグをバキュームバッグに密封し、真空引きをしながら加熱し、4〜6気圧の加圧下で硬化させる。このプロセスは、高強度・高精度が要求される製品に適しており、一般に10気圧まで加圧できる設備が用いられる。

オートクレーブの利用は、炉内での温度管理が重要であり、炉内の空気を循環させるためのファンや、樹脂が流動化し均等に行き渡るようにするための加熱管理が不可欠である。CFRP製造においては、260°Cまでの加熱と真空引きが行われ、この過程で樹脂は硬化し始める。

詳細を読む→これがいわゆる「ドライカーボン」である:熱硬化性CFRPの製造方法(その1)

キーワードで検索する

著者プロフィール

Motor Fan illustrated編集部 近影

Motor Fan illustrated編集部