電気モーターが自動車業界で注目される理由には、その特性に基づくものがある。内燃エンジンと電気モーターを比較した際、力の出し方に大きな違いが存在する。内燃エンジンは高回転でなければ最大トルクを発揮できず、初動から高トルクを必要とする場面では不利となる。
これに対し、電気モーターは低回転から即座に高トルクを供給できる。特に誘導モーターは、僅かな回転数上昇後に最大トルクを発揮し、その効率も高い。この点が、自動車が発進や加速を行う上での大きなメリットとなる。
エンジン車と電気モーター車のトルク特性を比較すると、電気モーター車は変速機なしでもエンジン車同等の駆動力を出せることが分かる。これは、電気モーターの回転数依存性トルク出力による。