水素エンジンの技術革新:超リーン燃焼の未来[自動車業界60秒ブリーフィング]

水素エンジンはカーボンニュートラル実現の一環として注目される技術である。水素を燃焼させることでCO2を排出しないが、NOxの排出は避けられない。そのため、三元触媒やNOx触媒の使用、もしくは超リーン燃焼技術の適用が必要となる。

規制の内容によって水素エンジンの普及が左右されるが、CO2排出がない点でe-Fuelと異なり優位性がある。将来的にはWell to Wheelの規制が強化されるため、水素供給インフラの整備も必須である。

水素エンジンの開発は1970年代から始まり、BMWやメルセデス・ベンツ、マツダなどが取り組んできた。燃焼特性として、バックファイアやプレイグニッションの問題があるが、直噴ターボ過給技術の進展により課題は解決されつつある。現代の開発は、高圧水素タンクの改良により、70MPaのタンクが標準化されている。

水素エンジンは特に超リーン燃焼が得意であり、NOxの生成を抑えることが可能である。水素の特性上、ガソリンエンジンよりも冷却損失が大きく、燃焼室の設計が重要となる。直噴ターボ過給により、トルクの向上とNOx低減が期待される。

詳細を読む→水素燃焼と水素エンジンの行方

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