EV市場では、BYDやテスラといった新興勢力が台頭し、急速な成長を遂げている。特に中国のBYDは、ガソリン車の生産を終了し、EVとPHEVのみに注力しており、その結果、23年10月の販売台数で日産を上回った。テスラも世界各地でシェアを拡大しており、EV販売台数でBYDをリードしている。
各国政府も積極的にEVシフトを推進している。EUは35年以降の内燃機関車販売禁止を打ち出し、eフューエル車を容認。ノルウェーなどの北欧諸国では、EV購入に対する大幅な税制優遇がある。米国ではバイデン政権が30年までに新車販売の半分をEVにする目標を掲げ、インフレ抑制法(IRA)で厳しい生産地要件を設けた。中国もEV購入補助金や税制優遇を継続しており、EV市場の中心に位置付けている。
しかし、急激なEVシフトには現実的な課題も存在する。米国自動車イノベーション協会はIRAの方針に対して抗議し、現実的でない目標が逆効果を招く可能性を指摘している。BMWやトヨタも全方位戦略を掲げ、EVだけが脱炭素化の解決策ではないと訴える。
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