EV普及の要、レクサスRZ450eに採用されたSiCパワー半導体の可能性[自動車業界60秒ブリーフィング]

SiC(炭化ケイ素)を用いたパワー半導体の採用が日本車メーカーで増加している。これはSDGs推進や各国のEV化施策の中で、効率的な電力使用が求められるためだ。従来のシリコン製パワー半導体よりも電力損失が少なく、省エネ性能が高いSiCデバイスが次世代パワー半導体として注目されている。

2023年3月、トヨタ自動車はレクサス初のEV専用モデル「RZ450e」にSiCパワー半導体を搭載した。ホンダも2025年発売予定のEVで同様の技術を採用予定だ。これにより電力の無駄を減らし、航続距離の延長が期待される。また、SiCパワー半導体はスイッチング速度が速く、電力ロスを減少させるため、充電時間の短縮にも寄与する。これによりテスラやBYDなどのEV専業メーカーが先行して採用している。

しかし、SiCの価格の高さがネックとなっている。特定のパワー半導体をシリコンからSiCに置き換えると、価格は2~3倍に上昇すると見られている。これはSiCインゴットの精製が難しく、加工難易度も高いためだ。しかし、EVへの搭載が進めば量産効果で価格低下が期待されている。

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