Euro 7規制では、非排気粉塵の削減が新たな焦点となっている。排ガス規制の強化によりエンジンからの粒子状物質(PM/PN)の排出は減少したが、ブレーキやタイヤからの非排気粉塵の割合が増加している。
このため、2023年11月に成立したEuro 7規制では、タイヤとブレーキからの非排気粉塵が規制対象に加えられた。特にブレーキ粉塵は、粒子状物質(PM10)を対象とし、非電動車では7mg/km、電動車では3mg/km以下が求められている。
ブレーキ粉塵の削減には、主に三つのアプローチがある。第一に、排出源自体の改良が考えられる。例えば、ディスク式ブレーキから粉塵の少ないドラム式ブレーキへの回帰や、ブレーキ摩擦材の変更が挙げられる。EU Joint Research Centre(JRC)の調査では、ドラム式ブレーキのPM排出量がディスク式よりも大幅に少ないことが示されている。
第二に、排出された粉塵の捕集も有効である。ブレーキ周辺にフィルターや吸引装置を設置し、排出された粉塵を捕集する方法である。しかし、これには高コストが伴い、量産車での普及には時間がかかると見られている。
第三に、摩擦ブレーキの使用頻度を減らすことが考えられる。
詳細を読む→Euro 7:ブレーキ粉塵規制への対策、回生ブレーキの扱いが今後の焦点、摩擦材変更には課題[FOURIN通信]