今回の共創では、車両とタイヤのデータが共有・解析され、コマツとブリヂストンの経験や知見を融合したソリューションを提供することで、過酷な鉱山現場の困りごとを解決することが目指されている。鉱山オペレーションでは、外的要因によるタイヤの故障や車両の停止が発生し、ダウンタイムが課題となっている。また、タイヤを使い切る前に交換が必要になることも課題となっている。これらに対して、タイヤと車両のデータを組み合わせた精緻な解析を可能とすることにより、故障原因を早期に特定する。そして、原因に合わせた適切な応急処置や再発防止策を実施することで、ダウンタイムの短縮が目指される。さらに、燃費に影響を与える要因として、①鉱山現場の特徴(傾斜度、路面状況)、②車両の使用状況(走行ルート、走行速度、積載量)、③タイヤの仕様(パターンや材料等)や使用方法があり、これらのデータを分析し、燃料費の削減にも貢献していく。
ブリヂストンとコマツは鉱山の顧客の安全性や生産性の向上とともに、総保有コスト(TCO)※3の改善に貢献することを目指す。また、燃料消費量の削減によるCO₂排出量の削減や、タイヤ消費量の削減による資源効率の向上によりサステナビリティに寄与する。両社は引き続き、新たな価値創造を目指し、共創を加速させていく。

【注釈】
※1 Bridgestone iTrack: ブリヂストンが展開する従来の空気圧モニタリングシステムで取得していたタイヤ温度・空気圧のタイヤデータに加え、位置情報・走行速度などの車両データの取得が可能なシステム。
※2 Komtrax Plus:コマツの鉱山向け大型機械に標準搭載された管理システムで、車両の健康状態・稼働状態をリアルタイムに取得することを可能にする。
※3 総保有コスト(Total Cost of Ownership)は、機械の購入費用だけではなく、使用や維持にかかる費用を含むコストのこと。