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開発背景
ジェイテクトは、JTEKT Group 2030 Vision を掲げ、「モノづくりとモノづくり設備でモビリティ社会の未来を創るソリューションプロバイダー」になることを目指している。ジェイテクトグループは、製品と製造設備に関する要素技術や知見であるコンピタンスを一堂に集約したコアコンピタンスプラットフォーム(以下「ココプラ」)の活用を推進する。社内のコンピタンスの掛け合わせのみならず、社外の技術や知見をつなぐことにより、社内や社会の困りごとの解決策を提案するソリューション共創センターを2025年1月に開設。ソリューション型ビジネスを通じて、顧客へ貢献していく。

自動車をはじめとしたモビリティ産業は、多種多様な視点で機能価値の向上が求められている。今回開発されたJIGBは、自動車や産建機に搭載されている減速機を構成するギヤとベアリングを一体化することで、ユニットの小型化、ギヤの強度向上、ベアリングのトルク損失低減を実現する最適構造とされた。これは従来、ギヤの歯に必要な靭性とベアリング(軌道輪)に必要な耐久性の両立が困難であった点に対して、ギヤとベアリング製品で長年培ってきたコアコンピタンスを活かして提案される技術。
製品の概要
歯車の外径に使用するベアリングの一体化
シャフトにベアリングを圧入している現行品のギヤシャフトは、シャフト径の制約により、ベアリングや減速機のサイズダウンが難しく、トルク損失の低減に課題があった。これに対し開発品では、ギヤシャフトの外径に軸受軌道を追加しベアリングと一体化。これによりベアリングの内輪(軌道輪)が省略されることで、ベアリング外径とユニット(軸間距離)のサイズダウン、トルク損失の低減を実現。また、ベアリングの圧入工程の省略により、顧客の生産性も向上される。

歯車の内径に使用するベアリングの一体化
ギヤの内部にベアリングを組付ける場合、組付け時のガタにより、ギヤ全体の強度が低下する可能性がある。これに対し開発品では、ギヤ内径をベアリングの外輪とすることにより、ギヤの傾きを低減し、ギヤサイズ及び、搭載されるユニットのサイズダウンを実現。またギヤ内径へのベアリング圧入工程の省略による部品点数の削減も見込まれる。

今後の展望
JIGBは、ジェイテクトがご提案するソリューションの一つ。ジェイテクトはモビリティ社会の未来を創るソリューションプロバイダーとして、自動車・産業機械をはじめとしたモビリティの性能向上に貢献する製品が開発される。