コマツ:建設現場向け・自動走行ダンプトラック実現を目指し米国アグ・ジャンクション社との共同実証実験を開始

コマツは、米国アグ・ジャンクション社と、建設現場向けに複数台のダンプトラックの自動走行を実現するための共同実証実験(PoC)を開始した。デジタルトランスフォーメーション・スマートコンストラクションを活用し、現場で稼働するダンプトラック周囲の様々な作業工程の情報を組み合わせることで、状況に応じた柔軟な複数台のダンプトラックの自動走行を実現し、2022~2023年の日本市場導入を目指す。

 建設現場は、工事の進捗に伴い可変性が高く、土砂の積込場と排土場の位置やダンプトラックの走路が頻繁に変更される。また現場作業員の往来や機材の搬出入、他の建設機械などを避けて走行する必要がある。このような現場への自動走行ダンプトラック導入を実現するため、アグ・ジャンクション社の技術である、障害物の検知と回避が実現可能な汎用自動化キットと、コマツが開発する自動化対応ダンプトラックを組み合わせる。コマツのDXスマートコンストラクションによる、位置情報や施工計画にあわせた運行指示を行う技術を活用することで更に高度に周囲環境を認識および共有、状況に応じた柔軟な車両制御により、建設現場の積込場と排土場を行き来する複数台のダンプトラックの自動走行を可能にする。最適な配車・走行ルートで制御することにより、燃費改善およびCO2削減を見込む。

 顧客の現場の課題解決には「モノ(建設機械の自動化・高度化)」だけでなく、現場全体の安全性向上や、施工の効率化、日々の仕事の見える化、天候等の外的要因でのリアルタイムの施工計画見直し、といった現場全体の稼働を最適化する「コト(施工オペレーションの最適化)」の技術が必要。コマツは建設・土木分野向けに、「モノ」として、2013年に世界で初めてICT建機(ブルドーザー)を市場導入、2017年には遠隔制御システムの開発を開始し、2021年5月には創立100周年の記念活動として、自動積込制御の改良による土質改良機への連続排土及び建設機械の複数台切り替え遠隔操作の実証実験を成功させた。
 また「コト」として2015年よりスマートコンストラクションの展開を開始、2020年4月からは、DXスマートコンストラクションの導入を開始し、建設生産プロセスの部分的な「縦のデジタル化」を実現のみならず、施工の全工程をデジタルで繋ぐ「横のデジタル化」による施工の最適化に取り組んでいる。

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