椿本チエイン:業界初「直流給電システム」に対応、V2X対応充放電装置「eLINK DC」を新発売

椿本チエインは、電気自動車の大容量バッテリーと電力網を双方向につなぐV2X対応充放電装置「eLINK」の新機種として、直流給電システムなどの直流ラインに直接接続できる「eLINK DC」を新発売した。

 椿本チエインは2013年、EVへの充電に加えその電力を公共施設やビルに給電できる電力システム「eLINK」を発売、2019年にはバーチャルパワープラント(VPP:仮想発電所)のリソースでの活用に向けて機能拡充を図り、V2X対応充放電装置「eLINK」としてリニューアルした。停電時の非常用電源や平常時のピークカットに使うV2B対応充放電装置として、公共施設を中心に採用される。

 新発売する「eLINK DC」は、業界初の「直流給電システム」対応のV2X対応充放電装置。
 交流給電システムは、再生可能エネルギーの太陽光や蓄電池などの機器で直流から交流へ変換するため、電力変換ロスが大きい課題があった。「eLINK DC」は、太陽光発電や蓄電池などの直流機器と、電気自動車のバッテリーを直流のまま相互接続を実現。最後に一括交流変換するため(電力変換回数削減)、電力変換のロスを抑え、省エネやCO2削減につながる。また、従来機「eLINK」と同様、EMS(エネルギーマネジメントシステム)からの指示による高応答・高精度の充放電制御が可能。電力と情報をつなげる新たなサービスのリソースとして活用でき、社会課題の1つであるカーボンニュートラル達成にも貢献できる。

「eLINK DC」の特長
1. 入出力電圧範囲が広く(DC240~410V)、システム設計が容易
2. 通信インターフェイスとして、UDPおよび産業向けのModbusTCPに対応し、高応答・高精度で充放電制御をスマートに実現
3. 総合変換効率95%を実現
4. 適用システムに応じたIoTゲートウェイ、 カード読取器などの組み込みが可能
5. タッチパネルによるユーザ認証や運転状況の確認が可能
6. CHAdeMO認証「V2H protocol Ver2.1.1」取得済み

仕様  (型式:TPS20-A)
 定格出力:5kW
 直流電圧範囲(直流ライン側): DC240~410V
 直流電圧範囲(EV側):DC150~450V
 通信方式:UDP、ModbusTCP(オプション)
 外形寸法:400(W)×1500(H)×300(D) mm
 質量:79kg
 価格・納期:都度見積り

用途
 直流給電システムに接続し、
1. EVの大容量バッテリーの充放電と太陽光発電、 蓄電池を連携し、 電力調整に活用
2. EVに蓄えた電力と太陽光発電や蓄電池の電力を、 災害時などの非常用電源に活用

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