帝人:欧州で自動車向け複合成形材料の一貫供給体制を確立

帝人グループで自動車向け複合成形材料事業を展開するテイジン・オートモーティブ・ テクノロジーズ(TAT)は、 今回フランスの拠点において、生産性、外観性、寸法・品質安定性に優れるSMC(*) 製造設備による商業生産を開始した。
(*)SMC: Sheet Molding Compound の略。ガラス繊維や炭素繊維などの強化繊維に熱硬化性樹脂を 含浸させ、シート状にした成形材料向けの中間基材。

 TATは、自動車向けのコンポジット部品の北米最大のサプライヤーとしての地位を確立しており、主にガラス繊維を用いた自社開発のSMCを製造しているが、今回フランスでの商業生産を開始したことで、ポルトガルやチェコの成形拠点と共に欧州におけるバリューチェーンを確立した。これにより自動車産業の主要市場のひとつである 欧州の域内において、北米と同様に材料から成形までの一貫生産体制を実現したことになる。

 今後、TATは、開発中の低VOC(低揮発性有機化合物)などを使用した製法も加え、優位性の高いコンポジット製品を拡大展開することにより、欧州の自動車メーカーのニーズに対応していく。

 帝人グループは、自動車業界が求める軽量、安全で、エネルギー効率や耐久性に優れる部品をグローバルに提供することができる世界有数のリーディングカンパニーとして、さらに確固たる地位を確立していく。また、バリューチェーン全体のライフサイクルにおける、CO₂排出量削減に向けた技術開発や様々な取り組みにも注力し、2030年近傍には、自動車向け複合成形材料事業の売上を2,000 百万米ドル規模へと拡大していく。

SMC製造設備の概要

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