ホンダが久しぶりに投入したターボエンジン──L15B T/C[内燃機関超基礎講座]

2015年登場のL15Bターボ版は、国内向けに2.0ℓのコンベンショナルエンジンを持たなくなったホンダが、代替として開発したダウンサイジングターボである。

 通常は過給圧の上昇にともなって開くウェイストゲートを無負荷では全開にしておき、負荷がかかると閉じる過給制御を用いている。トルクが必要になって過給圧が大気圧に近づくとスロットルは全開になり、出力制御は電動のアクチュエーターが担当。その間スロットルによるポンピングロスはなくなる、という仕掛けである。過給化に際しては、中空ナトリウムバルブの採用、シリンダーボア間への冷却水路の追加、燃焼圧力とスラストを直接受ける棹部のみ熱間・冷間二重の鍛造工程を施すコンロッド等、多岐に渡る対策が施された。

過給化で問題となる熱害への対策は、シリンダーヘッドだけでなくシリンダーボア間の冷却水路の増強、中空ナトリウム封入排気バルブ等が主なもの。TCはシングルスクロールの三菱重工製。

 L15Cターボ版は、燃料をハイオク仕様として、エキゾーストシステム全体のストレートレイアウト化と、ターボ過給圧を高める専用チューニング(6MT車)により、2.4ℓ・NAエンジンを凌ぐ高トルクを実現する。

■ L15C
シリンダー配列 直列4気筒
排気量 1496 cc
内径×行程 73.0mm×89.4mm
圧縮比 10.6
最高出力 134kW/5500rpm
最大トルク 240Nm/1900-5000rpm
給気方式 ターボチャージャー
カム配置 DOHC
ブロック材 アルミ合金
吸気弁/排気弁数 2/2
バルブ駆動方式 ロッカーアーム
燃料噴射方式 DI
VVT/VVL IN/×

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