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ベースは200台限定のTA64型セリカGT-TS!
1分の1プラモデル感覚で楽しむ超希少なホモロゲマシン
今回紹介するセリカは、1982年に発売されたグループBのホモロゲーション取得用モデル「GT-TS」がベース。エンジンは3T-GT(1770cc)のボアを0.5mm拡大し、排気量を1791ccとした4T-GTを搭載する。競技ベース車両のため、樹脂製フロントフェンダーやリジッド式リヤサスを備えるのがベース車TA63との違いだ。
バルクヘッドとコーションプレートに刻まれたTA64の文字が本物の証。オーナーがこのクルマを手に入れたのは1988年のこと。メンテナンスとチューニングを請け負っている“トライアル”との付き合いもその頃からになるという。
「トヨタがサファリラリーで3連勝した名車ですから心踊りましたね。僕で3オーナー目になります。前の2人はダート走行していたそうですが、僕は街乗りのみ。とにかく長く楽しめるように手直ししてます」とオーナーは語る。
4T-GTはノーマルでインタークーラーが装備されないため、MA63型セリカXX用の水冷式を追加。ラジエターも、純正のものをベースに2層式に加工+他車種純正の電動ファン仕様として冷却性能を高めている。
また「夜中にトラブルを起こして、ボンネットを開けたらエンジンルームに火花が走ってて焦りました」というイグナイターは、なんと日本デンソー製のフォークリフト用が流用されていたりする。
競技ベース車両らしく耐久性やメンテナンス性の向上を狙い、セミトレーリング式から5リンクリジッド式に改められたリヤサスペンションがGT-TSの特徴。マフラーはノーマルが絶版となっているため、トライアルでワンオフ製作されたステンレス製を装着する。純正代替品として十分な消音性能と排気効率を誇る。
ホイールはOZスーパーツーリズモGTを装着。CD/CE9A用のため前後とも30mmスペーサーを介してオフセット量を適正化している。ダンパーは前後ともにTRDのラリーマシン用で、純正スプリングを組み合わせたスペシャル品だ。
ダッシュボード中央にデフィブースト計と排気温計をセット。運転席はレカロSP-G+シンプソン5点式フルハーネス、助手席はSR-2+シュロス4点式フルハーネスが装着される。リヤシートの利便性を考慮した4点式のロールバーも装備されている。
インテリアの中で唯一デジタルな雰囲気を放つメインメーター。なるべく純正に拘っているというオーナーだが、メーターが故障した際、純正品はとっくの昔に廃盤。そこで当事50万円オーバーというスタック製のオールインワンタイプに交換されている。
ミッションはこのマシンが現役だった当時のラリー用5速クロスミッションで、機械式LSDやTRD強化クラッチも装備。エアコンはTA63セリカ用のオートエアコン。これは新車当時にオプション設定されていたものだ。オプションであるとはいえ、当時の競技ベース車両には珍しい装備だ。
エクステリアは、FRPの軽量ボンネットやラリーポッドや、グループB参戦マシン風のカラーリングなど、当時のラリーマシンをイメージしたパーツチョイスが独特の雰囲気を醸し出している。
超希少車かつ旧車という維持するだけでもハードなクルマではあるが、オーナーは「私にとっては1分の1のプラモデルみたいなもの。良いおもちゃですよ(笑)」と笑顔で語る。何があっても乗り続ける、そんな強い意思と深い愛情が伝わってくるホットマシンだ。
●取材協力:トライアル 大阪府堺市美原区丹上87-1 TEL:072-369-3539
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