「AE86の弱点を完全克服!?」走れるシャコタンを実現したハチロク究極チューンに迫る！

公開日 2024/08/20
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著者 weboption

ショーカー並みの美しさで驚異的な速さ！

旧式の足回り構造を高い技術力で克服

TE71の旧き足回り構造を受け継ぎ、フロントにストラット、リヤは5リンクリジットを採用したAE86。

ノーマル車高が驚くほど高い時代の車両設計なので、シャコタンに仕上げるなら100mmダウンも当たり前だが、車高を落とせばマフラーやフロアに干渉してしまうホーシング、キャンバー変化しないリヤタイヤなど、ワイド＆ローをキメるには何かとハードルが高いモデルだったりする。

さて、今回紹介するAE86は、スタンスシーンで匠のシャコタンメイクが注目を集めている“イープライム”のデモカーだ。ただ、レーシングカーを彷彿させるエクステリアを見てもらえば分かるように、ショーカーではなくサーキットでタイムの出せるシャコタン仕上げ。現状の仕様で、岡山国際サーキットで1分40秒3という驚きのベストタイムをマークしている。

ストラットとなるAE86のフロントはリヤに比べて攻略難易度は低めだが、シャコタンにするとロワアームは万歳状態になっていく。アームロックやロールセンターの狂いを回避するために、ロールセンターアダプターを使ったアーム角度補正が不可欠だ。

フロントのキャンバーセッティングにはアッパーマウントや調整式ロワアームを使用。イープライムAE86はワンオフ製作したストラットタワーにスライド機構を注入した。

走れるシャコタンに仕上げるには、ステアリングの切れ角確保も重要。ワンオフ製作したサイクルフェンダーでフロントのタイヤハウス容量アップを図っている。

車校を下げたAE86でステアリングを切り込むとタイヤハウス後方に干渉しやすいため、テンションロッド調整でキャスターを強めに寝かせている。直進性も高まるセットアップだ。

225/50R15タイヤで腰高に見えるのが許せず、低さと深みある足元を突き詰めた。ちなみに、ホーシングと干渉するマフラーはフロントフェンダーからのサイド出し屁とレイアウトを変更している。

ビルシュタインに調整機構を与えて車高調化したフロントサス。シャコタンのスプリングはショートハイトになりがちだが、長さが乗り心地やトラクションに貢献するため前後とも200mmをチョイスしている。

続いてリヤセクションを見ていく。5リンクリジットのAE86は、車高を落とすことによって横方向のホーシングにズレが生じ、片側のみハミタイといった状態に陥ってしまう。

そこで、調整式ラテラルロッドによる補正作業で解消するのだが、ピロボール化された製品が大半で年数が経過したボディにダメージも及びやすい。それを解消すべく、ボディ側支点を支える補強バーもセットで導入されている。

車高ダウンで横にズレるホーシングは前方向にも要注意だ。200mmダウンだとフロント側へ20mm近く動いていくため、トラクションロッドの調整で補正している。

構造上リヤキャンバーは付けられないのだが、ホーシングをカットしての再溶接加工でネガ1度半を確保。走りとスタイルの双方高まるセットアップだ。

タイヤハウス内のアーチは張り替える形で上げ加工を実施。タイヤカスなどのゴミが内部に溜まらないよう、ワンオフ製作したオーバーフェンダーに合わせてインナーを作り込んだ。

高出力に耐えられるよう7.5インチホーシングを投入しただけでなく、アームやピロボールもサイズアップ。等長リンクとなるようブラケット位置も変えているが、純正同様の5リンクリジットというサスペンション構造はそのままだ。

TRDダンパーに調整機構を与えて車高調化するリヤ。シャコタンによるストローク不足を補うため、下方向に引き下げたロワブラケットをホーシングにセットした。

機関系のメイキングももちろん抜かりない。ブースト圧2キロにも対応するAE101のスーパーチャージャー用腰下を使い、TD05ベースのワンオフ加工タービンでターボ化。ブースト圧1.5キロで320psを発揮させるタイムアタック仕様でありながら、シャコタンのカッコ良さも突き詰めたわけだ。

「ターボチューンで足回りや駆動系の強化が必要になった影響もありますが、225サイズの15インチ履きにすると腰高に見えてしまうのが許せず、シャコタンに仕上げました（笑）走りを突き詰めるならセッティング幅の広がるリヤ独立化がベストとは分かっていますが、そこは4A-Gとともに5リンクリジットをキープ。アーチ上げやサイクルフェンダー、ホーシングをカットしてのリヤキャンバーなどといった具合に、走りと低さの両立を図っています」とは、イープライム代表の大東さん。