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ジャパニーズクラシックカーショー(JCCS)2021潜入レポート Part.3
毎年アメリカのカリフォルニアで開催されている、ジャパニーズ・クラシック・カー・ショー(JCCS)。2021年は開催場所を従来よりも広いアナハイムのエンゼル・スタジアム(野球場)に移し、規模を大幅に拡大。エントリー台数は600台オーバーと、例年を上回る活況を呈した。Part.3となる今回は、オーナーの拘りが感じられる奇想天外車両をピックアップ。
ホンダ・CR-Xストラマン・コンバーチブル
カリフォルニアに拠点を構える“ストラマン(Straman)”が製作した、伝説的カスタムコンプリートモデルの登場だ。同社はオープンカーへの架装を得意とするコーチビルダーで、これまでにフェラーリテスタロッサやメルセデスベンツ500Eなども手掛けてきた実績を持つ。ちなみに、このCR-Xコンバーチブル仕様は80年代にアメリカの現地ディーラーで新車オプションとして設定され、約300台が生産されたそうだ。
三菱・スタリオン ガルウイング
まさかアメリカでこのクルマと遭遇するとは…。80年代の人気刑事ドラマ「警視庁第8班ゴリラ」で、舘ひろし演じる伊達健が駆ったスタリオンガルウイングである。限定5台で国内販売されたが、この個体は存在しないはずの左ハンドル仕様。オーナー不在のため詳細を聞くことはできなかったが、北米車両をベースにガルウイング化した可能性が高い。
マツダ・RX-7ハイブリッド
パッと見は純然たるチューニングカーなのだが、心臓部は13Bロータリーではなくモーター+ディーゼルエンジン…。そう、世にも珍しいコンバート・ハイブリッド仕様なのである。製作は基本的に独学で、知識を得ながらコツコツ仕上げたというのだから、その情熱は生半可ではない。
「変わったクルマを作りたいと考えていた時の手に入ったのがこのFC3S。コンバートEVは今や珍しくないし、どうせだったらハイブリッドカーにしてしまおうと思ったのさ」とはオーナー。
ハイブリッドシステムは独特だ。動力源はコンバートEVで使用されるアメリカ製モーターのみ。外部充電機能を持たず、必要に応じて小型航空機用のディーゼルターボエンジンで発電しながらモーター走行を行う仕組みだ。システムのイメージは日産のe-POWERに限りなく近い。ピークパワーは254psとのこと。
バッテリーには軽量&小型の市販リチウムイオン式を採用。従来の鉛バッテリーに比べて、蓄電効率が圧倒的に高くコンパクト設計のため、スペース確保も容易だ。このFC3Sでは、リヤにリチウムインバッテリーを直列配置している。
センターコンソールにハイブリッド用のモニターやインジケーター等が設置されているものの、基本的にノーマルライクで仕上げられたインテリア。ミッションは純正5速MTだ。
バッテリーのみでの航続可能距離は130km、エンジンで発電を行なった場合はガソリン満タンで約500kmの走行が可能と、実用性も申し分なし。ハイブリッド化で旧車を現代の環境に合わせて進化させる、そんな時代はもうすぐそこまで来ているのかもしれない。
ホンダ・バモスホンダ
1970年に放たれたバモスホンダは、軽トラックTN360をベースに誕生した多用途車、今風に言えばRV(レジャービークル)だ。今や博物館レベルの超レアモデルだが、それが現役でカリフォルニアの大地を走っているという事実に感動。ボディはフルレストア済みで、オーナーの強い拘りが感じられる1台だ。
●取材イベント:Japanese Classic Car Show 2021