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速く・壊れず・美しく!
新時代快適ハイチューンのお手本仕様
数多くのゼロヨンマシンを手掛けてきた実績から、ハイパワーを望むユーザーが多い“ガレージザウルス”。今回紹介するBNR32は、そんな同店が長年培ってきたノウハウをふんだんに投入して開発された1台だ。

心臓部のRB26DETTは、HKSの2.8Lキャパシティアップグレードキット・ステップ2にVカムを組み合わせた鉄板仕様。そこに同じくHKSのGT6290_BBタービンをセットすることで、実測780ps&84kgmを引き出している。


クランク角センサーは純正を撤去。代わりに、HKSのコンバージョンキットを使ってクランク軸上に専用センサーを設け、より正確なピックアップ信号をECUへと伝達するシステムにチェンジしている。林さんいわく「安定した制御を実現するHKSのクラセンキットは今時のRBチューンの必須ポイント」とのこと。マネージメントはF-CON Vプロ3.4、点火系はトラブルの多いパワトラが不要となるR34用を制御ごと流用している。

この車両は、元々インタークーラーパイピングを通すための穴がエンジンルームに開けられていたため、高出力化に最適なハイパーチューンのサージタンクをセット。ちなみに、ボディをカットしたくないユーザーには、ニスモのサージタンクを使用するケースが多いそうだ。

エキゾースト環境は、ザウルスオリジナルの6-2-1EXマニを経てHKSのスポーツキャタライザー→スーパーターボマフラーへと繋がる完全合法レイアウトだ。



ブレーキは、ザウルスオリジナルのフロント6ポット&355mmローター、リヤ2ポット&325mmローターという構成。R35GT-Rの純正ブレーキキットを移植する第二世代GT-Rは多いが、「車重の軽い第二世代GT-Rに装着すると、バランスが悪くリヤが効きすぎてコーナーでブレーキが踏めないんだよね」と林さん。取材車両は、ブレーキマスターシリンダーの大容量化も行われていた。

足回りはオーリンズのDFV(F9kg/mm R7kg/mm)を軸にセットアップ。ホイールは10.5Jプラス15×18インチのアドバンレーシングGT-Rビヨンドをセレクト。フェンダーはフロントにFRP製の社外品、リヤは叩き出しで前後ともに片側15mmずつのワイド化が図られている。


室内は追加メーター等を配置せず、ストリート然としたシンプル&クリーンな空間を構築。ただし、ミッションは800psのパワーをフル発揮させるためには純正5速では役不足と判断し、OS技研のOS-88シーケンシャルドグに変更済みだ。

トランク内には燃料のコレクタータンクをセットし、スポーツ走行中の強烈な横Gによる燃料の空打ちを防止する。

かつてはBCNR33や180SXなどのチューンドに乗っていたものの、生活環境の変化もあり長らくチューニングカーから離れた生活を送っていたというオーナー。久々に回帰したBNR32が800ps仕様というのは驚かされるが、最新のチューニング技術で作り上げられた800ps仕様は、ストリートからサーキットまでストレスフリーで楽しめるフレンドリーさを持ち合わせているのだ。
●取材協力:ガレージザウルス 埼玉県狭山市入間川4-8-16 TEL:04-2968-9212
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ガレージザウルス
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