「快適装備を残したまま筑波56秒台を実現したFD3S!」ストリートマシン最速を目指した名馬を振り返る

心臓部は13Bブリッジ+T88-34Dタービン仕様!

このブラウンカラーで彩られた美しいFD3Sは、REチューナーとして知られる“カーショップグロウ”原代表の元相棒だ。快適装備をフル搭載したストリート仕様で筑波サーキットに挑み続け、最終的に56秒4をマーク。2013年当時のFD3S最速戦線において、最強の一角に名を連ねた名馬を振り返る。(OPTION2誌2014年5月号より)

「常にセブンを楽しみたい!」そんな欲求を満たす贅沢チューン

筑波サーキットで繰り広げられている“素人最速決定戦”で56秒463というタイムを叩き出し、トップランカーの一角に食い込んでいるブラウンカラーのFD3S。サーキット専用機かと思いきや、快適装備をフル搭載したナンバー付きでチューンドで、ストリートユースを重視した作りになっているのが見どころだ。

内張りこそ剥がされているが、快適装備は全て残されたコクピット。

室内は軽量化のために内装パネル等を部分的に削ぎ落としているものの、エアコンやオーディオ、ETC等は完備。補強はロールケージのみながらガゼット補強を加えて強度アップを狙う。シートはタイムアタックマシンで定番のレカロSP-Gではなく、アルカンターラ素材を採用したTS-Gをチョイス。この辺りにオーナーの拘りが見え隠れする。

ミッションはOS技研のクロスを使用していたもののアタック中にミッションブロー。そのため、撮影時にはとりあえず純正5速が組まれていた。

また、ミッションはシンクロ付きのHパターンに拘っているのもポイントだ。Iパターンのシーケンシャルではないにも関わらず、筑波56秒を叩き出しているのだから恐れ入る。

エクステリアの空力パーツは脱着式にして、すぐに公道走行可能な状態に戻せるのもポイントだ。

そんなストリート志向のチューンドである反面、エクステリアはドアパネルやリヤゲートをFRP化、サイド&リヤウインドウをアクリル製にそれぞれ変更。快適性に影響が出にくい部分の軽量化を図って、1140kgの車重を達成している。さらに、カナードなどの空力パーツは脱着式とすることで、簡単にリーガル仕様に変身することもできるように仕上げられている。

エンジンはZESTレーシングで組まれたブリッジポート+T88-34Dのシングルタービン仕様。
RE雨宮のスリークダクト(運転席側)からダクトを引き込んで、タービンへダイレクトにフレッシュエアを投入する。

エンジンはサイドポート拡大+TD07-25Gタービン仕様から、ブリッジポート+T88-34Dタービン仕様へとアップデートし、ブースト圧1.4キロ時に530psを発生させる。ZESTレーシングで組んだエンジンのフィーリングは、アタックでのパフォーマンスとストリートでの安定感を兼ね備えているという。

ロータリーの形と目を惹く色合いが特徴のプーリーはスーパーナウ製。

オレンジアルマイトがかけられたアルミプーリーはスーパーナウ製、軽量な上にストリートマシンとしての見栄えにも貢献している。

サスペンションは オランダの名門アラゴスタの車高調を投入している。減衰力等はツルシのままだ。

一方の足回りは、アラゴスタ車高調を軸に構築。アーム類はサスペンションに入力される負荷に対して、リニアに足を動かすことを目的にフルピロ化(スーパーナウ製)している。

6型のABSユニット移植も定番チューンだ。

ブレーキは2ピースの大径ローターを組んだ上、6型純正のABSを移植することで制動力を根本からアップ。実際に、これまでよりもクルマ1台分ほどブレーキングの距離を詰めることができるようになったそうだ。このアップデートもタイム短縮に貢献したポイントとのこと。

写真はアタック時のもの。エアロパーツはRE雨宮のキットをベースにしている。

エアロパーツはRE雨宮のフルキットをベースにさらにワイド化。フロントアンダーには、ガレージカゴタニのGT-R用アンダーパネルを組み込んでダウンフォースを増強。左右に延びたカナードは幅20cmというビッグサイズだ。

GTウイングのステーは軽量化のためにに肉抜きした上、カーボンパネルで埋めている。
GLOWオリジナルのLEDテールは人気アイテムのひとつ。

ボルテックス製のリヤウイングはステーの高さを変更。ステーは見た目と整流効果を狙ってカーボンパネルを貼付けている。また、ヨーロッパ車風デザインで一新したLEDテールランプはGLOWの製品で、FD3Sのリヤビューに先進性を与えるストリートアイテムだ。

タイムアタックマシンでありながらストリートでも違和感のない外装に仕上げられている。

「エンジンや足回りはかなり自分のイメージに近付いていますね。あとは路面状況やアタックのタイミング次第で55秒台に入れるんじゃないかな」とはオーナー。ストリートマシン最速を目指した戦いは、まだ終わらないのだ。

●取材協力:カーショップグロウ 東京都練馬区豊玉上2-2-3 TEL:03-6794-2003

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【関連リンク】
カーショップグロウ
https://carshop-glow.com/

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