「GR86スーパーチャージャー仕様をカンサイサービスが徹底分析!」先代モデルとの比較で見えてきた真の特性

NAチューンを完了し、過給機チューンに移行

ノーマル比90馬力アップのスーパーチャージャー仕様を構築!

「ユーザーが描いた理想の形に無駄なく、可能な限り早く到達できること」をモットーに、まずは車両の素性を明らかにし、あらゆるシチュエーションを走り込み、データのフィードバックを繰り返す。極限を見極めながらも、創業以来ユーザーファーストの姿勢を崩さないのが“カンサイサービス”だ。

2021年9月に始まった新型GR86&BRZの開発は、2022年末までにNAチューンにおける速さと扱いやすさの着地点を導き出したことで、フェイズ2となる過給機仕様へ移行。新たに設定したストリート向けのスーパーチャージャーメニューの詳細を踏まえ、その可能性について向井代表に話を聞いた。

「先代はパワー不足が顕著で、スポーツカーに相応しい動力性能が欲しいという理由で過給機の装着率が高かったのですが、新型は排気量が上がった分、排気系さえ整えてやれば問題のないレベルの速さを得られます。新型でスーパーチャージャー仕様を望まれる方の大半は『ストリートでのゆとりが欲しい』という要望。サーキットでより速さを極めたい方は今のところ皆無ですね」とのこと。

GR86スーパーチャージャー仕様(青)&GR86ノーマル(赤)

デモカーは、GR86&BRZチューンでは必須のエキマニ/マフラーに、HKSのGT2スーパーチャージャープロキット(φ43のリストリクターを装着)を組み合わせたポン付け仕様。マネージメントはHKSが展開するサブコントロールキット(F-CON iS)ではなく、より緻密なコントロールが可能なECU-TEKを選択している。

「0.5キロのブーストを掛け、ノーマルに対して約90㎰/約13kgm上乗せの327.2㎰&38.1㎏mに到達。ワンランク上の車種と比べても見劣りしない動力性能を得ています」(向井)。

では、同じサイズのHKSスーパーチャージャーキットを装着した先代との特性差はどこにあるのだろうか?
「同仕様の場合は、約70ps/約10㎏mの差です。パワー/トルクの曲線はほぼ同じ弧を描いているので、基本の排気量の違いがそのまま数字に出たという印象。数値以上に速さと扱いやすさは底上げされていますね」(向井)。

ただ、初代のスーパーチャージャー仕様はパワー/トルクともに7000rpmまで落ち込むことなく綺麗に回っているが、新型は6300rpm以降で若干トルクの落ち込みが見られる。排気量をアップしたことで、高回転域で過給機が空気を飲み込んでしまうのだろうか…。「落ち込みは体感できない」と向井代表は語るが、今時点においてフィーリング面は先代に分があると言えそうだ。

「スーパーチャージャー仕様の第一弾と言えるストリートスペックは完成しました。すでに複数台のユーザー車両にセットし、満足頂いています。今後はサーキットでも安心して走れるように、足回りや駆動系のリセッティングを進めていきます」と話を締めくくってくれた向井代表。

圧倒的な技術力とノウハウを武器に、GR86&BRZと向き合うカンサイサービス。オーナーはその動向に注目されたし!

●取材協力:カンサイサービス 奈良県奈良市小倉町1080 TEL:0743-84-0126

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カンサイサービス
http://www.kansaisv.co.jp

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