目次
最小限のワイド化ながら美麗シルエット引き立つ!
隅々までヴェイルサイドらしさが際立つ作り込み
東京オートサロン2023でヴェイルサイドが発表したボディキット『FFZ400』には、どのクルマにも同じ様な形状のオーバーフェンダーを装着してしまう昨今のワイドボディキットに対するアンチテーゼが込められている。
この発想の根底には、映画『ワイルド・スピードX3』でRX-7フォーチュンモデルに乗ったハンを演じる映画俳優、サン・カン氏の言葉が大きなきっかけになっている。「最近の日本のワイドボディキットは、どこも同じ様な大きめのオーバーフェンダーを付けただけで、元のクルマのデザインが活かされてないよね」という言葉に大きな影響を受けたというのだ。
FFZ400はワイドボディ仕様ではあるものの、拡幅しているのは片側10mmのみ。いわゆる“フェンダートリム”などと呼ばれるくらいのサイズだが、横幕代表の手にかかると車両全体のイメージが激変してしまうのだから不思議だ。
「フェンダーアーチ部だけを10mm出すんじゃなくて、フェンダーの上の方から造形を変えて、RZ34が持っているボディラインの美しさをさらに強調しようと思いました。サン・カンに言われたようにね」とのこと。
フロントバンパーのサイドにフィン、フロントフェンダーの上部にはダクトとフィンを組み合わせたアクセサリーを配置。複雑な形状が加わることでスパイスが効いた仕上がりになっている。
これが本当にノーマル+10mmなのか…と疑うほど、ガラリと印象を変えたリヤフェンダー。リヤスポイラーまで繋がる造形は、元々RZ34が持つボディラインを延長した自然な造形だ。ホイール&タイヤは同社のアンドリューForged V(F9.5J×20 R10.5J×20)にポテンザS007(F255/30-20 R285/35-20)を履く。
ボンネットはあえてダクトを配置せず、センターに独特のキャラクターラインをデザイン。その中央部にはヴェイルサイドロゴのモノグラムを貼り込んで個性に磨きをかけた。
リヤには定番のGTウイングではなく、トランクの跳ね上げを延長し、ダックテール形状を強めるリヤスポイラーを装備。フロントバンパー同様に複雑ながらも抑揚あるデザインで、車両全体にリズム感を生み出している。
複雑なリヤアンダースポイラーの造形に合わせて、プロトタイプのエキゾーストマフラーも製作。テールチップはアルミの無垢素材から削り出したスペシャルとのこと。
ルーフからリヤゲートに至るモールには、メッキ処理を施した上でペイントによって刀の刃文が描かれている。日本のチューニングカーをイメージさせる演出だ。
ボンネットやウイングの翼端板だけでなく、シートやホーン、ドアインナーなどにはロゴをモノグラム状に箔押ししたアルカンターラを使用し、スポーティさだけでなくエレガントさも追求している。
ラゲッジには、エアフォース社製のエアサスユニットが配管と共に美しく取り付けられている。スマホでの操作が可能で、静止車高と走行車高を瞬時に切り替えることが可能だ。
まさに一切の隙なし。ヴェイルサイドの手により、RZ34は世界の名立たるスーパースポーツと互角以上に渡り合える、美しき鎧武者へと仕立てられたのだ。
●取材協力:ヴェイルサイド TEL:029-838-1104
【関連サイト】
ヴェイルサイド
http://www.veilsidejpn.com/