「初代ロードスターで300馬力オーバーを実現!?」NAファンが痺れるスワップメニューが完成間近!

左ハンドルのミアータにホンダVTECを搭載!

ロードスターらしさを維持したままパワーアップ

かつて、NA型ロードスターにジャガー製のV6・3.0Lエンジンを換装し、業界を騒がせた“ケンオート”がまたもやド肝を抜くスワップ車両を作り上げた。今度の心臓部は何とホンダのK型エンジン、アコードなどに搭載されるK24Aだ。

これは、日本に加えてアメリカとオーストラリアを含めた3カ国による共同プロジェクトとのこと。早速、そのディティールとさらなるチューニングの計画に迫ってみよう。

日本でK型エンジンと聞いて真っ先に思い浮かべるのは、FD2シビックタイプRなどに使用されたK20A。しかし、中古エンジンの価格とタマ数を考えれば、圧倒的にK24Aのほうが入手しやすく、プラス400ccのアドバンテージは街乗りでもサーキットでも武器になる。また、海外に目を向ければエンジンのチューニングパーツも豊富に揃っており、代表の小原さんによると、メカチューンで300ps、ボルトオンターボなら350psも射程に入るとのことだ。

ただし、多くのロードスター乗りにとってはこのメニューが邪道であることも理解している。それでもK型スワップを選んだのは、ステアリングを握った時の“楽しさ”に他ならない。まるでロードスター専用に作られたのかと思うほど自然で、持ち味である『人馬一体』感は全く色褪せない。高回転までストレスなく伸びるフィーリングも格別だ。

なお、ベース車両は左ハンドルのミアータ(輸出仕様のロードスター)限定となる。当初は右ハンドルで使えるように試行錯誤を重ねたが、新たにパーツを製作するとなればコストが跳ね上がってしまう。そのため、日本でも人気が高いミアータを使い、より特別なクルマに仕上げる道を選んだのだ。

エアクリーナーは社外品の剥き出しタイプをチョイス。ラジエターファンのシュラウドとのクリアランスも十分に確保している。インテークマニホールドなど、載せ替えに必要なパーツはキット化済みだ。

オイルパンも専用品となる。エンジンの搭載位置を下げて運動性能を引き上げるべく、小原さんは将来的にオイル供給システムのドライサンプ化を考えているそうだ。

エキゾーストマフラーは、今後テストを重ねながら最適な太さやレイアウトを探っていく。排気量が大幅に増えるため、適切な排気環境の構築はマストなのである。

エンジンマネージメントには、ハルテック・エリート1500を使用。燃調を自動的に高速演算するVE制御を始め、高精度なコントロールが可能なフルコンだ。

クーリング環境のアップデートも課題。エアコンシステムを活かしたまま、限られたスペース内でどこまで水温や油温を安定させられるかを研究中とのこと。

ミッションはアダプターを製作した上で、ロードスター純正5速をそのまま使う。他モデルのミッションを組み合わせることも可能だが、それだとコストが跳ね上がる。コストパフォーマンスを重視した結果のセレクトというわけだ。

デモカーはドレスアップの観点から前後にオーバーフェンダーをインストールしているが、エンジンパワー的には純正のままでもキャパシティは十分。タイヤをワンサイズ太くする程度で問題ないそうだ。

足回りは、ケンオートのオリジナル車高調でセットアップ。同時に、大幅なパワーアップに伴ってブレーキもウィルウッド製のシステムで強化する。15インチホイールに対応したシステムのため、経済的な仕様と言っていい。

インテリアはノーマル然とした仕上がり。サーキット走行を前提にシートはブリッドのジータIVに変更している。

以前から頻繁にアメリカへ渡りミアータ乗りと交流を深めていた小原さん。ついにケンオートの支店をカリフォルニアのロサンゼルス近郊にオープンさせた。現地で見つけたロードスター用のパーツに加え、ミアータの輸入にも力を入れていくとのこと。

今後はユーザーが安心して乗れるよう公認車検を取得し、エアコンなどの快適装備も使えるようにする予定とか。街乗りだけでも満足度が高い『K24ミアータ』だが、ケンオートの小原代表はサーキットでのタイムアタックも視野に入れている。今後の展開にもますます目が離せないだろう。

●問い合わせ:ケンオート 宮城県仙台市宮城野区福田町南1-10-33 TEL:022-797-4611

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