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目指すはシック&スポーティなスポーツマシン!
NATS卒業生らしくオンリーワンの個性も追求!?
本題に入る前に、まずはオーナーである“志賀”さんの生い立ちに少々触れておこう。家業が鈑金屋ということで、物心が付いた時からクルマに囲まれた生活だった。高校は進学校に進んだものの、この時はまだ将来の行き先は考えていなかったという。
そんな高校生活を送りながらも、徐々に“クルマにもっと詳しくなりたい!”と考えるようになり、日本自動車大学校(NATS)へと進学。地元の福島から、母親が乗っていたAE111レビンを譲り受け、千葉での学生生活が始まった。
その後はカスタマイズ科でクルマ漬けの日々を送りながら、スキルを高めていった志賀さん。その集大成として挑んだ卒業作品が、ご存知、東京オートサロン2020で話題を呼んだ“NATS A90 Spider”だった。
この車両は、左ハンドル仕様のレクサスSC430をベースに、初代ワイルドスピードに登場したJZA80スープラを再現した力作。FRP整形とメタルワークを駆使しながら構築したエクステリアの完成度は非常に高く、この年の優秀賞に輝いたほどだ。
「NATSを卒業して、今は埼玉県所沢市にある鈑金塗装の会社で修行中です。その間もAE111に乗り続けて、頭金をどうにか捻出して、2022年の中頃にこのGR86を購入しました! 自慢のポイントは、グリーン色のD2製ホローキャリパー(F6POT/R4POT)ですね。僕はシンプルでカッコ良いクルマが好きなので、今後このクルマに装着するアイテムは、色があるとすれば極力グリーンだけで、主張しすぎない範囲のワンポイントアクセントとして統一していきたいですね!」と、志賀さん。
お気に入りのキャリパーはもちろんだが、敢えての330mmドリルドローターは、17インチのスタッドレスタイヤも履けるということで、実用性も兼ねたチョイスと言うわけだ。
走りのステージは基本的にストリートメインのため、車高調は“乗り心地も良い”と評判のHKSハイパーマックスSをセレクト。これは、助手席に乗る彼女にも気を使いつつ、近いうちにサーキットでスポーツ走行も楽しみたいという、志賀さんの気持ちまで組み込んだベストバイだ。
エンジンは素ノーマル状態。差し色となるグリーンにペイントされたブレースバーは、塗装のプロフェッショナルであるお父さんの手によるもの。オイルレベルゲージのツマミは、加工装着したスナップオンのドライバーグリップだ。
インテリアは、各種ペダル類やスペーサーの装着でヒール&トゥがしやすいようにセットアップ。アルミ削り出しのリバースギヤトリガーも、高品位なスポーティさを演出する。
「ウチは、母親もマニュアル車乗りの走り屋一家なんです! 今は福島に帰省した時に、親父と一緒にクルマの話をしたり、弄ったりするのが楽しいですね!」と志賀さん。
ちなみに、スポーツ走行に備えて現在狙っているのが、ブリッド製のリクライニングバケット。その中でもグリーンの差し色が映える『土屋圭市スペシャルエディションモデル』とのこと。
“楽しく快適に、速く走りたい”というコンセプトに、ポイントカラーもマッチさせたチューニング展開というのも、とても優雅なカスタマイズのアプローチと言えるだろう。