目次
サーキットでの速さと街乗りでの扱いやすさを両立!
岡山国際サーキットにて1分44秒をマーク
チューニング隆盛期である1990~2000年代前半に名門「JUNオートメカニック」で工場長を務め、極限のマシンメイクに携わってきた近藤さんが立ち上げたプロショップ“近藤エンジニアリング”。
今回紹介するBRZは、そんな同店が展開するオリジナルパーツブランド「匠プロジェクト」の新しいデモカー。単にサーキットのタイムだけを追求するのではなく、ストリートでの実用性にも大きなウエイトを置いたモディファイが進められているリアルチューンドだ。
エンジン本体はノーマルで排気系のみオリジナルマフラー(試作品)を投入。そこにECU-TEKによる現車セッティングを合わせ、極限までポテンシャルの引き出しを図る。近藤エンジニアリング仕様となるATSのカーボンシングルクラッチは、フライホイールまで含めた軽量化が施されたスペシャル品。FA24の吹け上がりが見違えるほどシャープになる。
サスペンションは匠プロジェクトの「匠KIT」をチョイス。街乗りからサーキットまでカバーするオールラウンドな特性で、リヤには伸び側のストロークを稼ぐヘルパースプリングを標準装備する。
取材時のキャンバー設定は、前後ともネガ2.5度。フロントの挙動を抑える方向でセッティングを煮詰めており、スプリングレートはフロント13.4kg/mm、リヤ12.5kg/mmとなる。
ブレーキチューンはパッド変更のみで、匠プロジェクトのスポーツタイプをセット。GTドライバーの阪口良平選手監修で、コントロール性重視の設計。踏力に合わせてリニアに力強く制動力が立ち上がる特性がポイントだ。
タイヤはADVAN A052(255/35R18)、ホイールはボルクレーシングTE37 SAGA SLを履く。なお、匠プロジェクトでは「ZE40」の復刻&特注サイズ(9.5J×18+43)も用意している。
インテリアは、ドライバーズシートの交換とサーキット走行用に追加装備した4点式ハーネスのみ。コクピット周りはステアリングを含めて純正をキープしている。
この仕様で挑んだ2度目の岡山国際サーキットテストでは、前回のベストタイム(1分46秒台)を2秒も上回る1分44秒台をマーク! 開発ドライバーを務める阪口良平選手は「この仕様で1分44秒1が出れば、申し分ないと思いますよ。ただし、足回りにはまだ進化の余地がありそう。現状は、操作に対しての反応がシビアだから、安定感の引き出しが重要ですね。誰もが安心して速く走れる、コンセプト通りの完成型に向けてさらに進化させていきたいですね」と語ってくれた。
一方チューナーの近藤さんは「今回は新しいクラッチ、特にフライホイールの軽量化が効いた印象。レスポンスアップが、FA24のポテンシャルを引き出す秘訣ですね。とはいえ、チューニングはまだまだ序盤。エンジンの制御を含めてまだまだ煮詰められるところはあるので、タイムは縮められるはずです」と、今回のテストを振り返る。
サーキットでのテストを経た実践的なアイテムを次々製品化している近藤エンジニアリングだが、開発途上にあったエアロボンネットもいよいよ完成。軽くて強度にも優れたカーボン製で、ダクトからの雨水の浸入をカバーなしで防ぐ、独特な排水構造が備わる。夏場の熱対策として心強い高機能アイテム。もちろんGR86にも適合する。
なお、オリジナルパーツは、ボンネットやGTウイング、ブレーキ冷却システムなど、今後も続々登場する模様。ユーザー目線で、ストリート最強仕様を目指す近藤エンジニアリングのBRZチューンは、これからが本番だ。
●問い合わせ:近藤エンジニアリング 大阪府和泉市上代町147-1 TEL:0725-24-0516
【関連リンク】
近藤エンジニアリング
http://kondoengineering.com/