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これは完全に「510ブルの皮を被ったシルビア」だ!
3ナンバー公認で街乗りもこなす魔改造ブルーバード
旧車でドリフトをするために、4ドアのP510ブルーバード(昭和44年式)にシルビアのエンジンと足回りを移植したという超絶チューンドの登場だ。
とにかく見どころ満載なのだが、中でも凄まじいのがボディワーク。ドリフトに最適なシルビアの動きを目指した結果、S13シルビアのフレームごと土台に使った“上下ニコイチ”車両を製作してしまったのだ。
簡単に言えば、下半分がS13シルビアで上半分が510ブル。つまり、エンジンやミッションを含むパワートレインや前後サスペンションは、PS13シルビアを寸法も変えずにそのまま使っている、というわけ。もはやラジコンのノリである。
オーナーに話を聞くと、シルビアとして残ってるフレームはおおよそフロントのサスメンバーからリヤのサスメンバーまでのホイールベースにあたる土台部分とのこと。そこに510ブルのサイドシルから上を溶接して繋いでいるというから恐れ入る。
ホイールベースを比べると、S13が2475mm、510ブルが2420mm。当然タイヤの位置が510ブルとは合わないが、そこを自然と収めるために前後フェンダーハウスをワンオフで作り直したのが最も苦労したところだそう。その他、フロントリップ、サイドスカート、リヤアンダー、ウイングも全てワンオフ品となる。
フロントメンバー位置はそのままで、510ブルのホイールアーチに合わせてテンションロッドでタイヤを後ろ側へオフセット。前後16インチ8.0J+30のBNR32純正ホイールに205/45サイズのネオバAD07を履く。トレッドは前後S13シルビアになるため、片側70mmのオーバーフェンダーで帳尻を合わせている。
車高調はGPスポーツのシルビア用でバネレートはフロント8kg/mm、リヤ6kg/mm。ロアアームはイケヤフォーミュラ製をセット。ステアリングラックにはS14のものを使っていた。当然ながら5穴で、キャリパーはBNR34で大径化している。
リヤの足回りはセミトレ…ではなくシルビアのマルチリンク。大きな変更点はキャリパーがR32タイプMを流用していて、サイドがドラム式になっていることだ。
サイドシルからは510ブルなので、当然Aピラーやバルクヘッド、ダッシュボード等は510ブルとなる。しかしミッショントンネルはS13用のため、シフトゲート位置やプロペラシャフト等は一切加工する必要ない。非常に不思議なクルマだ。
エンジンハーネス類はS13用をそのまま使用。メインメーターもS13用をうまくビルトインさせている。
心臓部のSR20DETはT517タービンで約280馬力を発揮するファインスペック。ちなみに純正がL16(1600cc)の92馬力仕様なので、トリプルスコアだ。公認取得時の重量検査では約1100kgだったそうで、かなり軽量化されたシルビア程度の重さとなる。
燃料タンクは純正を廃して日産アトラストラック用をトランクスペースに設置。バッテリーも移設済みだ。
こうした魔改造のおかげで、シルビアと同等以上のドリフトを繰り出せるようになったわけだが、オーナーはこの仕様で3ナンバー公認を取得し、街乗りも普通にこなしているという。まさに究極のネオ旧車だ。
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