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内外装の随所に散りばめられた京都テイストが光る
日産の現行車種ラインナップに対するメッセージも!
この超過激なワイドフェンダーで武装した初代キックスは、“日産京都自動車大学校”の学生たちが手掛けた作品。その名も『KOTOコンセプト』だ。
車両コンセプトは、「学生の感性がとらえた京都のWABISABI」というもの。車名の「KOTO(=古都)」が表す通り、随所に散りばめられた“京都エッセンス”が見どころなのだが、まずは往年のラリーカーのようなスタイリングに着目したい。
「キックスは4WDなので、その要素を活かすために“ルノー5ターボ”や“プジョー205”といった往年のグループBマシンを参考に仕上げることにしたんです」とは、エクステリアの担当学生。
フェンダーに関しては片側150mm近い大幅なワイド化を実施しているが、「東寺の五重塔の屋根のライン」を意識するなど京都テイストは抜かりなく注入された。
フロントマスクも、グリルを鳥居モチーフの形状にすることで京都らしさを演出。攻撃的なカナードはスポイラーよりも内側に収めることで、保安基準に適合させる。特徴的なフロントライトはジープチェロキー用の社外品を用いるが、これも車検対応のアイテムを選定したそうだ。
ドアの内張りには、着物の染色技法応用した革加工製品で知られる“アッキート”製作のワンオフレザーを採用。これは製作に関わった学生の一人がアッキートと縁のある人物で、サポートを受けることになったのだという。
さらに、和のテイストを打ち出す一手としてスピーカー部分まで活用。これはアクリルに和紙風のシートと紅葉を挟み込み、裏側からライトアップするという女子生徒発のアイディアだ。
一方のドライビングポジションは、MOMOフルスピードステアリングとレカロのSR-7で最適化。エアコン吹き出し口には埋め込まれたメーターは、デフィのブースト計&油圧計だ。さらに京都の街を小気味良く走れるよう、OEM元車であるパジェロミニからミッションを移植してMT化しているのもポイントだ。
製作期間は約6ヶ月。車両製作に関わる26名の学生全員が、必ず最低一つのパートを担当するというルールに沿って製作されたこのマシンは、まさに努力の結晶。今年の春で卒業となる彼らに取って一生の思い出になることだろう。
●取材協力:日産京都自動車大学校 TEL:0120-55-3723
【関連サイト】
日産京都自動車大学校
https://www.nissan-gakuen.ac.jp/kyoto