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心臓部は2JZ改3.4Lメカチューン+NOS!
官能的なサウンドを響かせる異色のサーキットスペシャル
シルビアにRB26DETT、アルテッツァに2JZ-GTE、RX-7にVQ35DEなど、エンジンスワップの多彩な実績を数多く持つC&Yスポーツ。今回紹介する180SXは、そんな名門ショップがスタッフ達の遊びグルマとして製作したサーキット仕様だ。
エンジンは唯一無二の個性を求めて、2JZ-GE(NA)の6スロ仕様を搭載。以前、S13シルビアに2JZ-GTEを換装したこともあるため、基本的な換装ノウハウは問題なしだ。
エンジン本体は、鍛造ピストンキットや削り出しクランクシャフト、H断面コンロッドで構成されたHKSのキットを用いて3.4L化。さらにヘッドにはナプレックの鍛造ビッグバルブやオリジナルのハイカムをインストール。NAらしい鋭い吹け上がりを実現しつつ、十分過ぎるほどの強度的余裕も持った330ps仕様としている。
4気筒が入っていたスペースに6気筒を換装することになるため、エンジン本体はバルクへッドぎりぎりに寄せて載せ、スペースを稼ぐとともに重量バランスを改善。重要な6連スロットルは、AE111用1セット+半分を流用したワンオフ品を搭載している。
ストレートなどエクストラパワーが必要なタイミングに備えて、各気筒に燃料と亜酸化窒素を噴射するノズルを設けたシーケンシャルショットを搭載。NOSのボンベは室内の助手席位置にマウントしている。全噴射時は130psの上乗せが可能で、ターボ勢にも引けを取らない加速を実現する。
エキゾースト環境は、サーキット専用機ということでサイド出しで構築。直6メカチューン特有のハイトーンサウンドは官能的だ。
ワイドフェンダー+貼り付けオーバーフェンダーを装備し、フロントに265/35R18、リヤに295/35R18サイズのハンコック・ヴェンタスTDをセット。サスペンションはエナペタル製だ。
室内は純正のダッシュボードにデフィのマルチメーターを埋め込むなど、スパルタンでありながらもスマートな作り。ミッションは2JZ-GTE用のゲトラグ6速を搭載している。
リヤのストラットタワー上にボックスを作り、そこから溶接留めのロールケージを這わすなどボディ補強も入念に行われている。リヤのラゲッジスペースには、安全タンクとコレクタータンク、さらにGTウイングのマウントが鎮座する。
これらのメイキングによって、岡山国際のバックストレートでは220km/hのトップスピードをマークするなど、メカチューン仕様としては驚異的なスペックを実現。見せかけだけのスワップでは終わらせない、ハイレベルなトータルチューニングはさすが名門である。
●取材協力:C&Yスポーツ 愛知県愛知郡東郷町大字春木太子32 TEL:0561-38-8325
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