目次
GRヤリスチューニングはこれからが面白い!
困難とされていたECU解析が進行中
1.6Lの3気筒ターボでありながら、272ps&37.7kgmを発生するG16Eユニット。その登場はチューナー達を大いに沸かせたが、パワーチューンの行く手を阻んだのが純正ECUだ。
「GRヤリスは制御システムが非常に複雑なんです。当社は海外のデータバンクから入手した純正ECUの解析データをもとに、オリジナルソフトを用意して早い段階から攻略に取り組んできましたが、とにかく一筋縄じゃいかない。内容不明なマップが多い上に、補正制御も複雑に絡み合って、下手にいじると調子が悪くなってしまう。ですから、モデルデビューから4年以上経過した今も、GRヤリスを大幅にパワーアップさせるには、純正ECUの足枷を外すことができるフルコン制御が主流になっていますね」とは、フェニックスパワーの横山さん。
ただ、最近になってECUチューニングの注目ツールであるECU-TEKがGRヤリスに対応。現時点では不明マップも数多い状態だが、フェニックスパワーはオリジナルソフトで先行解析していたノウハウを活かして純正ECUの攻略を一気に進め、ブースト圧1.8キロ時に351.1ps&51.3kgmを達成した。
これはストリートユースで十分に満足できる仕上がりなのだが、G16Eのポテンシャルを余さず発揮させる完全攻略とまでは至っていない。というのも、モアパワーを狙って目標ブースト圧を引き上げても、1度きりのものとなり、再計測すると補正制御が介入するのか目標ブースト圧に届かないからだ。
ECUチューンのファーストステップでG16Eのポテンシャルを高めるには、吸排気の高効率化が欠かせない。フェニックスパワーでは吸気側にフレッシュエアを供給するHKSのコールドエアインテークシステム、排気側にアペックスのキャタライザー&マフラーを推奨している。
ゲートウェイ方式を採用するGRヤリスのECU書き換えは、ベンチモードやブートモードで直接アクセスするスタイルだったが、ECU-TEKはゲートウェイを回避してOBD経由でのアクセスまで実現。書き換え作業時の面倒な一手間が解消されている。
ちなみに、クラッチ容量などを考慮すれば350ps&50kgm付近がベストバランスと思われるが、横山さんはタービン交換など将来的なステップアップを見据えてブーストコントロールの完全支配が不可欠と判断。大幅なデータ変更が図られたマイナーチェンジ後のECU解析と併せて、引き続きGRヤリスのECU攻略に取り組んでいる。
今はまだ100%となっていないものの、フェニックスパワーのGRヤリス用アプリケーションCPUは痛快な走りを楽しめる領域へと到達済み。まずは走りが俄然楽しくなる350psメニューから味わい、モアパワーが狙える完全攻略の報告を心待ちにしておこう。
●取材協力:フェニックスパワー 福井店:福井県坂井市丸岡町朝陽2-317 TEL:0776-67-2980/京都店:京都府久世郡久御山町佐古外屋敷37-2 TEL:0774-48-1157
【関連リンク】
フェニックスパワー
http://www.phoenixs.co.jp