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JTCCスタイルにK20改2.1Lを搭載
製造廃止部品多数のB型に代わる選択肢!
「セントラルサーキットを速く走りたい」と考えたオーナーが愛機に選んだのは、B18Cエンジン換装仕様のシビックフェリオ。そのまま、勢いでエンジンチューニングを“インパクト”に相談したところ、そこで返ってきた提案はK20型スワップだった。

「要望を満たすのは簡単ですけど、パーツの生廃やチューニング後のエンジンライフなど総合的に考えれば、今からB型チューンに取り組むのは茨の道。“同じ費用を掛けるならK20型に換装した方が、速さもライフも将来性も満たして理想に近づけられますよ…。”とオーナーに説明したんです」とは、インパクト代表の園田さん。

当初はノーマルエンジンをそのまま搭載予定だったが、仕上がりイメージが湧き上がってきたオーナーはチューニングを追加リクエスト。速さの追求なら最有力候補はビッグトルクが狙える2.4L化だが、ロングストロークのためレブリミットは8000rpm付近になってしまう。そのため、このEG8はシビックらしく9000rpmオーバーまで使える2.1L仕様を選択した。
なお、後方排気となるK型はB型よりも軽くてフロントミッドの搭載となるため、ノーマルエンジンでも運動性能の向上も期待できる。

ワイセコ製86.5φピストンに、インパクトのオリジナル鍛造コンロッドで2.1L化されたK20Aは、パフォーマンスに合わせてスカンク製のインマニや70φスロットルなども装備する。

市販されているEG用マフラーは60φが大半で、2.1L化されたK型チューンドの本領を引き出せない。そのため、絞りなしの70φストレート構造でワンオフマフラーが製作された。

エキマニはK型換装に合わせて製作された50φの4-1仕様。ワンオフマフラーと合わせて、高い排気効率を実現している。

重要なマネージメントは、ハルテック・エリート1500で緻密に制御。CAN接続の空燃比計WB1も備えて安心感を高めているのもポイントだ。なお、スロットルはワイヤー式のままだ。


B型は生廃の関係でミッションのオーバーホールもままならない状態だが、DC5用のK型はFD2用の流用でコンティションアップが可能。ドライブシャフトは500ps対応のオリジナル強化品。将来的なパワー、トルク引き上げを見据えての投入だ。

コンディションに不安があったクラッチラインやブレーキラインは生廃となっていたため、インパクトがワンオフ製作。こうした対応力はネオクラオーナーにとって見逃せない一面だろう。


室内はロールケージを張り巡らせた2名乗車のエアコンレス仕様だが、サーキットまで自走で向かうれっきとしたストリートチューンドだ。メーターフード内にスッキリ収められたハルテック・IC7のディスプレイが心臓部のK型同様に進化を感じさせる。

ちなみに、取材時はチューンドK20A換装が終わったばかりで電動パワステ化やハブの5穴化などの作業を残していたが、未完成状態でも只者ならぬオーラが感じられた。
ローマウントウイングやウインドウ越しにロールケージが見えるEGのセダンボディといえば、真っ先に思い浮かぶのはJTCCを戦っていたレーシングフェリオ。K型チューンドを心臓部に収めたEG8がサーキットでどれだけの速さを見せてくれるのか、非常に楽しみだ。
●取材協力:インパクト 京都府久世郡久御山町野村村東91-3 TEL:075-754-7405
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