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限定車を所有する悦び
S203デビュー時は入手が容易だった!?
“戸鹿野”さんというオーナー名を見て、ピンときた人はOPTION本誌の相当なヘビーリーダーとして認定。そう、戸鹿野さんは2023年6月号に登場し、ウェブオプションでも紹介したST185セリカGT-FOUR RCの持ち主だ。


崩壊寸前のボディは多くの読者に衝撃を与えたようで、誌面掲載後は、「これってOPTIONに出たやつですよね。写真撮らせて下さい!!」と声をかけられ続けているそうだ。

地球⇔月の往復(76万km)を目指すセリカの旅は現在58万kmに到達。そんな超過走行なセリカとは対象的に、購入してから20年間で1万kmしか走っていない超低走行となっているのが、STIコンプリートロードカーのインプレッサS203だ。
STIのロードカー言えば最新のS210プロトモデルが発表され、夏とされるリリースでは争奪戦が予想されている。ところが、戸鹿野さんがS203を手に入れた当時は、今からは信じられないような状況だったらしいのだ。
「S203は2005年の1月から3月までの期間限定555台販売だったのですが、3月にたまたま近所のディーラーに展示されていたので入ってみたら『まだ残ってますけど……』ってことで買っちゃいました。正直当時はスバル車にあまり興味はなかったのですが、このグレーメタリックのボディカラーとセダンスタイルがいいなぁと感じたんですよね」と言う。

こうして衝動買いで愛車に加わったS203だったのだが、戸鹿野さんにとっては3番目の彼女!?としての位置付け。1番目はもちろんセリカなのだが、実は2番手としてランサーエボリューションが控えていた。
「そろそろセリカも限界かと思ってランエボを増車したんです。ⅢとⅤに乗りましたが、結局セリカが諦め切れず先にランエボを手放して次にGRBベースのSTI R205を買った(抽選に当たっちゃった)んです。乗ってみるとR205のほうが扱いやすかったので、やっぱりセリカがダメになったらこっちかなって感じなんですよね」と戸鹿野さん。こうしてS203は2番手浮上のまたとないチャンスを逃し、引き続きガレージで寂しい日々を送っているのだ。ちなみに、昨年の走行距離はたったの“7km”だった!!

EJ20エンジンはピストン、コンロッド、クランクシャフトが手作業でバランス取りされたもので、タービン径拡大の専用ボールベアリングターボ、専用チューンECUとの組み合わせで320psへとパワーアップ。インテークやインタークーラーパイプのダクトホースも強化タイプを採用。ストラットタワーにはシリアルプレートが装着される。

スエード製の車検証入れは「質感はR205よりいいです」と戸鹿野さん。他にシリアルナンバー入りキーホルダーも付属していたが行方不明状態。しっかりカタログも保管。

フロントシートはレカロと共同開発のリクライニングタイプで、ドライカーボン製シェルにアルカンターラ表皮を採用。

ブラックソフトフィール塗装のダッシュパネル類やシリアルナンバー入りアルミシフトリングなどインテリアも専用装備満載。センターコンソールには拘りのDENONユニットが収まる予定だ。

リヤシートには保護用のビニールがかけられたまま。内装の焼けを一切感じさせない美しいコンディションだ。

戸鹿野さんのS203で唯一の変更点が車体の前後に追加したパフォーマンスダンパー。これは後継モデルS204からの流用品で、体感できるほどボディ剛性が向上したとのこと。


2段可変式リヤウイングの他、ドライカーボンフロントリップ+ラバー製アンダーリップを装着。チタン製マフラー(マイナス5kg)や18インチ鍛造BBSホイール(4本でマイナス6kg)などにより、計15kgの軽量化を実現。専用タイヤのP ZEROコルサも新車装着のままだ。

ほぼ新車のS203となればさぞかし高く売れるはずと思うが、そんな気はさらさらないのが戸鹿野さんの凄いところ。番付こそ3番目ではあるものの、S203への愛着はセリカと同様。いずれは拘りのオーディオユニットをインストールして、お気に入りの音楽をBGMにしながら、このS203で気ままにドライブを楽しみたいと考えているようだ。
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