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VR38改4.1L仕様で余裕の900馬力オーバー
合法ストリート仕様の究極形とも言えるR35GT-R!
R35GT-Rの魅力は、普段乗りを快適にこなせるだけでなく、世界のスーパースポーツに負けないパフォーマンスを発揮すること。そんな素性の良さを全域で伸ばすチューニングを実践しているのが、東京都大田区の“ペントルーフ”だ。
同社は、かつての谷田部最高速全盛期に、エアコン付きのBNR32で343.13km/hを記録するなど『街乗りも快適にこなせるハイパワーマシン』の開発を追求してきた名門。このアブフラッグ製フルエアロをまとったR35GT-Rも、その技術力が存分に注がれている事は言うまでもない。
心臓部に収まるのは、HKSのキャパシティグレードアップキットを組み込んだ4.1L仕様のVR38DETT改だ。排気量をプラス300ccする効果はハンパではなく、ノーマル排気量の頃とはフィーリングが激変し、エンジンがよりトルクフルな特性に生まれ変わったという。
ヘッド周りにはHKSのカムシャフトや強化バルブスプリングを装着。さらに大容量サージタンクやトラストのサクションパイプをセットし、排気量に見合った流入空気量を確保している。そんな強心臓に組み合わせるタービンは、HKSのGTII7867ツインだ。
燃調や点火時期をはじめとする各種マップはECU-TEKによる現車合わせセッティングで最適化。気圧や気温の変化にもフレキシブルに対応するエアフロ制御としているのもポイントだ。
純正インジェクターをツインドライブとして燃料を確保。フューエルポンプは195L/hの吐出量となるHKS製を2基セットしているため、更なるパワーアップにも対応可能だ。現状は最大ブースト圧1.7キロ時に900ps&115kgmというパワーを絞り出している。このターボユニットにとって、時速300キロなど通過点に過ぎない事は明白だ。
インタークーラーは十分な容量を備えるトラストのタイプ29。クロスフローレイアウトを採用するこのモデルはクーリング性能が非常に高く、パワーアップはもちろんエンジン保護にも貢献してくれる。
エキゾーストマフラーは異径3本出しテールが特徴のHKS 3SX。フルストレート並みの排気効率を誇りつつ、可変バルブ機構によってステージ1(バルブ閉)ではノーマル同等の音量にまで抑えることができる逸品だ。この選択からも街乗りを強く意識していることが分かる。
GR6ミッションはHKSの強化トランスミッションや強化クラッチを組み込んで高出力に対応。エンジンECUのミッション制御トルクマップも最適化するなどトラブル対策も万全だ。
車高調はペントルーフのオリジナルで、フロント16kg/mm、リヤ12kg/mmのスプリングをセット。また、ハイパワーな重量級マシンを安心して走らせるためにはブレーキ強化が欠かせない。そのため、前後にエンドレスのモノブロックキャリパー(6ポット)+380mmローターを導入。こうしたトータルバランスへの配慮が、速さへと繋がっていくのだ。
ドライカーボン製のリヤアッパースポイラーをはじめ、エクステリアを覆うエアロパーツは全てアブフラッグ製で統一。こちらはリヤフェンダーを大胆にワイド化しつつも洗練されたフォルムに仕上げた逸品で、都会的な印象を持たせることに成功している。
速さはもちろん、普段の使い勝手や佇まいまで考慮した至宝のR35GT-Rフルチューンスペック。実にトップチューナーらしいメイキングだ。
●取材協力:ペントルーフ 東京都大田区大森東2-28-2 TEL:03-5493-0840
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ペントルーフ
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