「空冷ポルシェをデジタル化」国産チューニング技術で高い信頼性を手にした400馬力の964ターボ!

日産車用パーツ+フルコンで制御系を再構築! パワーと信頼性の劇的な向上を実現!

Z32エアフロ&CPからエアフロレス仕様に進化

1970年代末の排ガス規制を機に、キャブレターから電子制御インジェクションへと一気に切り替わった国産車に対して、欧州車で主流だったのは機械式インジェクションのボッシュK/KEジェトロだ。

ポルシェ911は、タイプ964で電子制御インジェクション(ボッシュモトロニック)に切り替わったが、それはNAモデルだけで、ターボモデルには引き続きKEジェトロが採用された。

理由は、レースも含めて長年使われてきた信頼性の高さや、電子制御インジェクションの制御の荒さなどにあったようだが、それは964ターボがデビューした30年近く前の話。技術が大きく進んだ今の時代からするとKEジェトロではあまりにも制御が雑だし、経年変化にともなうトラブルの可能性だってある。

そんな964ターボのウィークポイントを潰し、秘めたポテンシャルを制御系の全面的な見直しで引き出したのが、最高速チューンにかけては無類の強さを誇る「ペントルーフ」だ。

ステーの裏側に付いているため確認しづらいが、パワートランジスタにはRB20E用が使われる。「これひとつで6気筒分を制御できるので使い勝手が良いんですよ」と北林さん。

使われる主要パーツは日産車用で、まず点火系はデスビを加工してRB26DETT用クランク角センサーを内蔵。シャフト上にピックアップを埋め込み、ガバナ機構を固定式にしてECUで点火時期を制御する。パワートランジスタはRB20E用で、1基で6気筒分の制御が行えることから採用された。

インタークーラーパイプの奥に見えるのがインフィニティ90φスロットル。パワー志向の国産車チューンで定番とされるパーツが、ポルシェのチューニングにも使われてるのがおもしろい。

また、燃料系ではサード600ccインジェクターを装着するためインマニをNA用に交換して、ポンプはボッシュ製を外付け。高回転域での燃料不足をふせぐために強化配線による電圧アップも行われている。ちなみに、スロットルはインフィニティ90φだ。

メインハーネスは、かつてエアフロ+純正CP流用で制御していた名残からZ32用が総移植されていて、現仕様はそれをベースにF-CON VプロによるDジェトロ制御へと改められている。

補助空気をソレノイドで制御するAACバルブ(IAAユニット)はZ32用を流用。Vプロでのセッティングと合わせて、安定したアイドリングを実現するためのポイントとなるパーツだ。

一方、一新された制御系に合わせて、リヤオーバーハングに搭載された3.3LのSOHC空冷フラット6(M64型)エンジンはフルバランス取りを含むオーバーホールを敢行。タービンは純正のまま、EXマニ加工によってHKSレーシングウエストゲートを組み合わせ、ブースト圧はEVCで最大1.2キロにセットされる。

マフラーはペントルーフオリジナルのステンレス製に交換。左右デュアル出しのテールは、右側がエキゾーストマフラー、左側が大気開放のウエストゲートパイプだ。

足回りは、アラゴスタをベースに独自のセッティングを施したペントルーフSPL車高調を装着。ブレーキは後期型となる964ターボ3.6の大容量キャリパー&ローターで強化される。

目の前に構える5連メーターなど、初代911の頃から同じデザインを踏襲するダッシュパネル。その一番右、本来は時計のところにウルトラブースト計がセットされる。

センターコンソールにはHKS EVCとブーストスイッチのコントローラーを装着。

エクステリアにも手が入り、フォグランプ内蔵のフロントバンパースポイラーはTBK製。ホイールは964ターボ3.6純正のスピードライン製に交換され、フロント225/40、リヤ265/35サイズのポテンザS-03ポールポジションがセットされている。

「本当はひとまわり大きいタービンを入れたいところですが、まずは高回転域でのタレを防いで純正タービンの性能をフルに引き出すためにウエストゲートを交換しました。当時、964ターボの速さは衝撃的だったと思いますけど、制御系を最新のモノにすることで、今でも通用するパフォーンマンスを見せてくれますよ」とは、ペントルーフ北林代表。

もちろん、速さだけでなく、日常域での扱いやすさや信頼性も向上。最新の制御系がもたらすメリットは、計り知れないほど大きいわけだ。

●取材協力:ペントルーフ 東京都大田区大森東2-28-2 TEL:03-5493-0840

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ペントルーフ
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