「打倒ターボ車を誓って進化したZ33!」老舗の過給機チューンで380馬力に到達

腰下にまで手を入れたVQ35DE本格チューンド

GTスーパーチャージャーを使い切る!

元々、エンジンノーマルのままHKSのGTスーパーチャージャーキットを装着し、岡山国際サーキットでのスポーツ走行を楽しんでいたという、このZ33前期のオーナー。

しかし、ブーストアップレベルの第二世代GT-Rやシルビアにストレートで置いていかれることが耐えられなくなり、さらなるパワーチューンを決意。そうして誕生したのが、このGTS7040スーパーチャージャーのブーストアップ仕様だった。

GTS7040はZ33前期用キット標準プーリーの95φから90φに小径化した上に、吸気口に設けられたリストリクターを撤去。

最大ブースト圧はキット標準の0.6キロから0.9キロまで高められており、このハイブーストを実現させるために、VQ35DEにはHKSのローコンプピストンとI断面コンロッドを投入して腰下を強化している。

また、ヘッドにはHKSのハイカム(264度 IN10.5mm、EX10.2mm)を投入する他、燃焼室加工によって圧縮比をローコンプピストン投入後の9.0から9.3まで引き上げ、ピークパワー発生後も高回転域までパワーが追従するよう対策。

吸気系は内径を3mm拡大加工したスロットルと、コスワース製サージタンクを採用することで流速を高めている。

燃料系は、サードの265L/hフューエルポンプとHKSの545ccインジェクターで容量アップ。制御はエアフロ制御が可能な負圧領域までをメインECUチューンで、正圧領域はHKSのF-CON SZと圧力センサーが担当する。VTCマップもメインECUとHKSバルコンで最適化済みだ。

ヒートしやすい油温は、運転席側にHKS製、助手席側にオートガレージMオリジナルのオイルクーラー2機がけで対策。なお、水温対策はARCのラジエターとニスモのローテンプサーモスタットで行っている。

排気系は、EXマニがサンラインの45φ、HKSメタルキャタライザー、フジツボ60.5φ→76.3φフロントパイプ、5ZIGENプロレーサーの70φマフラーという構成。ちなみに、リヤマフラーに5ZIGENをセレクトしたのは、デフオイルクーラーの装着に伴い片側1本出しが前提になったからだ。

スペックはダイナパック計測(TCファクター:1.00)で、382.9ps/6806rpm、43.1kgm/5058rpm。パワーグラフを見ると、ピークを迎えた後7100rpm辺りまで380psオーバーをキープしていることが分かるが、これがヘッドチューンとVTCセッティングの恩恵だ。

車高調はHKSハイパーマックスでセットアップ。バネレートは前後10kg/mmと現在の仕様に対しては柔らかいため、仕様変更を考えているそうだ。

リヤサスにはサンラインのピロキャンバーアーム、ピロテンションロッドを投入。フロントにもハイトアジャスタータイロットエンドの他、ステージア純正アッパーアームを組んでキャンバー調整が行われている。

駆動系は、ニスモのGT LSDを装備するとともにARCのデフオイルクーラーをセットして、ハイパワーを的確に路面へと伝達する策を講じている。

ブレーキはフロントにエンドレス6ポットキャリパー&355mmローター。リヤはセントラル20の4ポットキャリパーと332mmローターで制動力を強化。ちなみに、軽量化は一切行われていない。

エアロはバージョンニスモを軸に構築。ただし、バージョンニスモのリヤバンパーはデフが丸見えになってしまうことから、オートガレージMのNSX用リヤディフューザーを加工流用している。

さらに、カーボンボンネットはトップシークレット製、サンラインレーシングのカーボンルーフカバー、ボルテックス製GTウイングと、エクステリアチューンも気合十分だ。

エンジンチューンには約220万円の費用を投じたそうだが、チューニング効果は絶大だった。登り700mのバックストレートで、ターボ勢に負けない加速力を獲得。そう、オーナーが求めていた一線級の戦闘力を手に入れたのだ。

●取材協力:オートガレージM 香川県高松市上天神町751-7 TEL:087-816-8777

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