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メッキ仕様のエンジンルームが美しすぎる
CAN解析に2年&公認取得に3年を費やした意欲作!
この1JZ-GTE搭載86(ZN6)は、数々の完全公認エンジンスワップ車両を製作してきた実績を持つ神奈川県の“ワークス”の快作だ。しかも、単にエンジンスワップしただけでなく、純正メーターやエアコンの機能を全て生かしたストリート仕様というから恐れ入る。
車両自体は東京オートサロン2020に出展されていたものと同一だが、当時は公認取得が間に合わず“公道走行不可”の参考出品車という状態だった。そこから各部の完成度を高めた上で、晴れて公認を取得したという経緯がある。
エンジンに1JZ-GTEを選んだ理由は「2JZはエンジンハイトが高くて、ボンネットから飛び出てしまうんです。1JZならスマートなインストールが可能なんですよ。2.5Lとはいえ500psくらいは簡単に狙えますしね」とは、ワークスの藤ヶ崎さん。
ちなみに、デモカーは「まずは86オーナーの方々に素の状態を体験してもらいたい」との想いから、エンジンはオーバーホール+吸排気チューンに留められている。なお、排気系はキャタライザーから後方の部分を純正と同じ取り回しとすることで、86用の社外マフラーをそのまま使えるようにしている点も見逃せない。
このエンジンスワップによる重量増は約50kg。「重量配分は6:4くらい。パワーもトルクも十分なので、かなり楽しいクルマになっています」とのこと。
フルメッキ仕様の美しいエンジンに目を奪われがちだが、エアコンコンプレッサーもキッチリと装着されていることに注目。ちなみに、エンジン制御はJZX100純正ECUが担い、それ以外の部分はZN6純正ECUで制御するというハイブリッド式だ。
室内は快適性を重視。各部にスウェード生地を貼り込んで質感を向上させ、デフィのスマートアダプターを使ってタブレットに情報を集中表示させる。シンプルだが非常に機能的なメイキングだ。
ミッションはJZX100純正5速。シフト位置を基準にエンジン搭載位置を決めており、フロアトンネルは無加工で問題なかったそうだ。
シートは運転席&助手席ともにブリッドのジータIVを装着し、ドアインナーや後部座席もブリッド生地を張り込んで統一。さらに、ロールケージはHPIのレーシングハーネスに合わせてメタリックグリーンにペイントするなど、細部のクオリティも凄まじいレベルだ。
外装はTRA京都のロケットバニーワイドボディキットのバージョン2に、トヨシマクラフトのカーボンボンネット、バーディークラブのテールレンズを装着。ルーフもドライカーボンに張り替え済みだ。
最低地上高は90mmを確保。ホイール&タイヤもキッチリと収められているため、このままの状態で公道走行が可能だ。エキゾーストマフラーはトラストの86用を未加工で装着している。
車高調はDG-5で、バネレートはフロント16kg/mm&リヤ10kg/mmに設定。アーム類はメーガンレーシング製で、こちらは藤ヶ崎さん自ら書類を製作して公認を取得した。ホイールはワークのマイスターS1R、タイヤは街乗り用としてナンカンのNS-20(F255/35-18 R275/35-18)を履く。
細かいが、ドアハンドルもスムージングされリモコンによるポップアップ式とされているのもポイントだ。
この公認エンジンスワップは、将来的にワークスでメニュー化して展開予定とのこと。ZN6型86チューンの新たな方向性として大いに期待したいところだ。
TEXT:山本大介
PHOTO:山本大介/金子信敏
●取材協力:ワークス 神奈川県横浜市都筑区早渕2-1-16 TEL:045-590-6231
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