「水平対向エンジン使いは必見!」トップチューナー直伝“間違いのないEJ20チューニング

注目すべきは吸気温度と1次排圧!

ブラックラインの考えるEJチューンの第一歩

ドラッグレースへの思いが強く、パワーチューナーというイメージが強い埼玉県の“ブラックライン”。しかし、だからといって全てがフルチューンかと言うとそうではなく、代表の鈴木さんも無理なチューニングをお客さんに勧めることはない。

「長く楽しむには、経済的な余裕をもってチューニングをすることも大切ですし、ギリギリのチューニングをして壊れたら誰だって嫌になっちゃますからね」とは鈴木代表。

今回紹介するのは、そんなブラックラインがスバル車ユーザーに対し、EJ20チューンの第一歩として推奨している吸気系の安定化を目指したチューニング法だ。というのも、EJエンジン搭載車はエンジンルームの熱ごもりが激しく、吸気温の上昇が性能をスポイルする大きな要因になっているからだ。

具体的には高速道路。ノーマルの吸気環境でアクセルを踏み続けていると、すぐに熱ダレが始まってフィールが落ちていく。実際に走行中のECU内データをロギングすると、その変化がよく分かるそうだ。

「熱ダレすると燃料が入っていかなくなるし点火時期も遅れていく。これを改善するためには、フレッシュエアを積極的にクリーナーに引き込むことが第一。欲を言えば、インタークーラーも前置き化したいところですね」とのこと。

鈴木代表の言葉通り、取材車両(GGB)は熱害をシャットアウトしてフレッシュエアを積極的に導入できるオリジナルのインダクションボックスと、GT-Rサイズの3層インタークーラーを前置きで配置して吸気環境を最適化。

なお、純正と同じ上置きマウントでインタークーラーコアのみを大型化するパターンもあるが、EJ20においては熱ごもりの要因を増やすことになるため、ブラックラインでは悪手と考えている。

エンジンマネージメントにはF-CON Vプロを採用。フルコンの選択肢は多くなっているが、ブラックラインでは特殊な性能や機能を求めないかぎり、Vプロを推奨している。これはメーカーのサポート体制がシッカリしていることが大きいそうだ。

取材車両は2代目インプレッサのスポーツワゴンSTi(GGB)で、生産台数約800台という希少モデルだ。リップスポイラーはトラスト製、インタークーラーをフロントに移設しているためボンネットダクトは塞いでいる。

ここからのステップアップとしてブラックラインが提案するのは、ウエストゲートの装着だ。これは、タービンサイズを大きくするという意味ではなく、1次排圧(エンジン〜タービン間の圧力)を下げて、ブースト圧をタレにくくすることが目的。

極端な話、アクチュエーター式のノーマルタービンにウエストゲートを組み合わせるだけでもフィールは大きく向上する。ちなみに、EJエンジンはEXマニの構造上、純正を加工してウエストゲートを取り付ける改造も比較的容易とのこと。

取材車両のマフラーは純正オプションのSTiゲノム。純正系のため最高の排気効率とは言えないが、現状のスペックならギリギリ許容範囲というイメージ。

「僕はパワーチューニングが好きなので、まずタービン変えよう!って言いたくなるところですが、EJエンジン搭載車はちょっと特殊なんですよね。初期段階で重要なのは、熱ダレをシャットアウトして、1次排圧を下げること。これだけで、安定して高回転までストレスなくパワーが追従するフィーリングを手にすることができますよ」と話を締めくくる鈴木代表。

ブラックライン流のEJチューニング入門編、興味のあるオーナーは一度問い合わせてみてはいかがだろうか。

●問い合わせ:ブラックライン 埼玉県川越市下広谷690-1 TEL:049-239-6667

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【関連リンク】
ブラックライン
http://www.blackline-racing.com

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