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スティレン・スーパーチャージャーで全域型の500馬力を実現!
排気量アップしたような湧き上がるパワー特性
NAながら3.7Lの大排気量エンジンを搭載しているZ34は決して遅いクルマではないが、乗り慣れるにしたがってワンランク上の速さを求めたくなる人も多いはず。そんなオーナーの次の一手として注目したいのが、過給機チューンではないだろうか。
そんな中でもZを愛してやまないアメリカで、名門と呼ばれる“スティレン”が生んだスーパーチャージャーキット(180万円〜)は、排気量をアップしたかのようなトルク感が体感できる逸品。
キットにはコンプレッサーメーカーとして長い歴史を持つボルテックス社のV3ユニットを使用し、大容量のインジェクターや強化燃料ポンプ、水冷式のインタークーラーを組み込むインマニなども同梱。補機類のセットアップによって差は出るものの、450psを狙うことができる。
しかも、取材車両はさらなるパワーアップを求めて“デイトナレーシング”の手によってハイブーストを可能にするプーリーがセットされ、UpRevを使った現車合わせセッティングも敢行。
特にZ34の場合はECUが高性能すぎるため、やみくもに点火時期を早めてもリタードがかかって思い通りのセッティングが実現できない。そうしたポイントを最新のノックリタードコントロールで制御することにより、スーパーチャージャーのポテンシャルを限界まで引き出すことに成功している。
最高のツールとソフトが組み合わさって弾き出された最高出力は、驚きの490ps。アクセル全開状態の速さは、GT-Rをも撃墜できるほど過激というからハンパではない。
そんな怒涛の過給機パワーを活かすためのチューニングも徹底。デイトナスピードでは、数多くの車両にキットを取り付けてきた経験から、日本の道路事情に合わせてオイルクーラーの追加を推奨。油温を適温に保つことでエンジンの耐久性をアップ。真夏の街乗りでも安心してドライブできる。
さらに、Z33/34でトラブルが多発するベアリング直押しのクラッチレリーズは、変換キットを使って信頼性のあるフォーク式に変更済み。デイトナレーシングではパワーアップだけでなくユーザーが安心して乗り続けられるように、ウイークポイントへの対策もお手のものなのだ。
スティレンの日本代理店であり、プロインストーラーの認定も受けているデイトナレーシングの山本代表いわく「Z33やZ34はエンジンルームのスペースが限られており、ターボではレイアウト的に無理が出てきたり熱問題が付きまといます。それに比べてスーパーチャージャーなら取り付けに必要なスペースを抑えることができますし、特にこのキットはエンジン脱着を必要としないのも良いですよね。合理性を重視するアメリカ人に受け容れられているこのパフォーマンスは、ひいき目なしにお勧めです」とのこと。
また、この取材車両はファッション性を大幅に高めているのもポイントだ。適度に下げられた車高はオーリンズベースのデイトナオリジナル車高調(F11kg/mm R10kg/mm)で、足元にはカスタム系に人気のVOSSENのCV3(10.5J×20)を履く。
エキゾースト環境は、デイトナレーシングのフロントパイプからサクラム製のマフラーに繋がる構成だ。抜けの良さだけでなく、乾いた高周波サウンドはドライブフィールを格段にアップさせてくれる。
ちらりと覗くラグナットやエアバルブは、チタンボルトチューナーのサンダーボルト製。パフォーマンス一辺倒でないところも、デイトナレーシングならではのマシンメイクと言えるのではないだろうか。
●取材協力:デイトナレーシング 福岡県大野城市横峰2-20-7 TEL:092-513-7300
【関連リンク】
デイトナレーシング
http://www.z34.jp