「S2000にさらなる速さを!」独自の過給機チューンでF20Cを鍛え上げる!!

F20CにボーテックV-2SQスーパーチャージャーをセット!

VETCのフィーリングはそのままに9000rpmまで回せる400馬力仕様

NAチューン時代から、サーキットに通って走りを楽しんでいたという“アローズ”の浦野代表。当時から筑波サーキットコース1000で39秒台前半を出す腕前ではあったものの、F20Cのパワーには限界を感じていた。

「絶対的なパワーは欲しいけれど、9000rpmまで回せるVTECらしさは残したかったんですよね」と浦野代表。

排気量アップでパワーを求めると、レブリミットが下がってしまうため構想からは除外。ボルトオンターボ化も熱問題やターボラグ等のネガ要素が気になる。そんな時に発見したのが、VTECらしさを残したまま大幅な出力向上が狙える、米ボーテック社製の遠心式スーパーチャージャーだった。

「取り寄せてみたら、やっぱりアメリカ製って感じでした…。至る所からオイルが漏れて(笑) そのままでは使えないので、改良を加えながら独自に進化させましたよ」。

そう浦野代表が語るように、構造上の問題や製品精度の悪さからトラブルが多発。シールやベアリングなど、ひとつひとつトラブルに対して日本製の改良パーツを開発し、ブラッシュアップ版を作り上げたのだ。

こうして完成したスーパーチャージャーはノーマルのF20Cにセット。インタークーラーはパイピングレイアウトがシンプルな水冷式が採用される。

ボーテックのキット標準は5インチサイズのプーリーが付属するものの、プーリーの両サイドにベルトずれ防止のフチがないため、ベルトがズレて切れてしまいやすい。そこでアローズでは、ベルトズレ防止のフチを設けた小径プーリーを製作、ブースト圧は最大0.95キロに設定している。

ラジエターは大容量タイプを導入し、サーキットでの連続周回に対応。ラジエター手前に確認できるオイルクーラーのようなコアは、水冷インタークーラー用のラジエターだ。街乗りもこなすためエアコンは撤去せず、エアコンコンデンサーは水平にマウントする。

マネージメントにはF-CON Vプロを採用。燃料ポンプとレギュレーターはキット付属の強化品を使用し、インジェクターは純正のままだ。最高出力は約400psとなる。

「11.7という圧縮比のまま、9000rpmで最大ブーストを迎えるのでアクセル全開時のパンチは最高です。S2000の良さを活かした過給機チューンと言えるのではないでしょうか」と浦野代表。このスーパーチャージャーシステムは、VTECを愛する人にこそ使ってほしい至宝のメニューというわけだ。

●取材協力:アローズ 東京都稲城市大丸2285-33 TEL:042-379-6911

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アローズ
http://www.arrows-japan.com

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